不燃ゴミの怪

所帯じみた話題で恐縮ですが、不燃ゴミ等の収集日には、いろんな謎の人達が出没して行き交う、不思議な夜となります。
飲料用のアルミの空き缶などは、これを自転車の前後左右に山のように積み上げて、ふらふらと走る姿などもよく見かけます。

一昨日の夜のこと、月に一度の不燃ゴミの収集日だったので、空き缶/ビンなどの燃えないゴミをまとめていましたが、外が明るいうちに外に出すのも憚られるので、いつもできるだけ夜遅く出すよう心がけています。
その夜はちょっと外出していて、夜の11時ごろ帰宅し、車を降りてガレージのシャッターを閉めようとしたとき、目の前に軽トラックが走ってきて、運転者はいかにも慣れたような動きで、向かいのマンションのゴミ置き場にスッと入っていきました。
不燃ゴミ等の収集日は何らかの収穫を求めてか、こういう人達が引きもきりません。

ここまではいつものことなのでとくに気にも留めませんでしたが、我が家のゴミを奥から出してきて、外に出そうとしたとき、軽トラックの人は戻ってきて運転席に座り、まさに発進するところというタイミングでした。

その時に、なんというか…ちょっとした視線を感じたというか、なにか引っかかるものを感じはしたものの、とくに気にもせずゴミを出すという一連の動作を続けて、門扉の鍵を閉めて、玄関に向かおうとしたとき、小さく「カチャッ」という音がして、それが軽トラックのドアが開く音だということはほぼわかりましたが、妙に気持ち悪くなって、それ以上外を見ることなく玄関に入りました。

しかし、家に入って着替えをして手を洗っていると、外では相変わらず車が動いたり止まったり、ドアをバタンと閉める音などが小さくつぎつぎに聞こえてきます。
ポッと点火したさっきの不安はますます募ってきました。

もうお分かりだと思いますが、マロニエ君としては彼らに我が家のゴミが漁られたんじゃないかという気がしてならなかったのです。
というわけで、玄関を入ってからわずか5分後ぐらいのことですが、ちょっとゴミの様子を見に行ってみることにしました。
袋の上口はちゃんと縛っているのに、乱雑に開けられていたりしたら嫌だなあという不安とともに、恐る恐る門扉のところまで行ってみると、あれっ!…なんと今しがた置いたはずのゴミはものの見事に消えています。
どうやらさっきの軽トラックの人が袋ごと持っていってしまったようです。

もちろん捨てたものですから持って行かれても問題にはなりませんが、不燃物とはいえ、自分の家のゴミを他人がそのままそっくり持っていくなんて、やっぱり気持ち悪くてちょっと衝撃的でした。

中はしょうもない金物やガラスのがらくたばかりで、彼らが期待するようなものは何もなかったはずですが、それにしてもよくまあそんなことをするもんだと思います。
それ以降、家の中にいても妙に外の気配を伺っていると、なるほど、つぎつぎこの手の人がやって来ては去っていくのがわかりました。

それでひとつバカなことが閃きました。
処分代を出して引き取ってもらわなくてはいけないような大きめの粗大ゴミでも、この月に一度の収集日に外に置いておけば誰かが持っていってくれるかもしれないと思うのです(笑)。

ただ外に置いているものを誰かが知らぬ間に持っていくというだけなら、なんの法令にも反することではないし、それで面倒な手続きもしないで、しかもタダでゴミ処分ができるなら、こんなありがたいことはないわけですから、そのうちダメモトでいちど置いてみようか…などとつい変なことを思ってしまいました。

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