所用があって平日の午後、西区方面へ出かけたついでに、たまたま前を通ったので、さる15日にオープンしたばかりの木の葉モールをちょっとだけ覗いてみました。
このところの大型ショッピングモールといえば、ほとんどはイオンかゆめタウンの両横綱に占領されている観があり、いささか飽き飽きしていたところでしたので、木の葉モールは経営母体がそれらとは異なるし、果たしてどんな新しいものができるのかという興味がありました。
駐車場は大半が立体で3Fからのようですが、平日にもかかわらず、行けども行けども満車エリアが続き、ついに4Fにまで押し上げられて、そこでもかろうじて一台分のスペースを見つけ出したほどでした。
売り場は1F/2Fで、なだらかな曲線状に伸びたメイン通路の両脇に無数の店舗がひしめき合っています。
時間がないので、ごく短時間でサッと見て回っただけですから、おおざっぱな印象でしかありませんが、はじめに見てアッと思ったのは、まるでイオンモールのやり方をそのまんま丸写しのような感じで、なんだか見ているこっちのほうが恥ずかしくなるような気になりました。
中国のなんちゃってワールドは笑っておきながら、こんなにもそっくりな雰囲気を大真面目に作ってしまうという日本人の横並び精神も、これはかなりのものだと思いました。
あそこまで真似して、恥ずかしくないのかと素朴に思いますし、マロニエ君的には、どうせ新しいものを作るのであれば、それこそイオンなどの先発を充分に研究し尽くした上で、そこにさらに新しい発想、斬新なアイデア、これまでになかったスタイルの提案などをやってみるべきでは?と思うのですが。
別にモールに限りませんが、後発組の強味とチャンスは正にそこにあると思うのです。
それなのに、パッと見た感じでは、また新しくイオンモールがひとつ増えたとしか思えないようなものでしかなく、しかもしょせん真似は真似なので、イオンのほうが全体的にサマになっていてあれなりに本物という感じで、こちらは模倣特有の後ろめたさが漂っています。
店子も具体名は書きませんが、どれもこれもがお馴染みのものばかりで、いまどきのモール入居する店は同じ顔ぶれしかないのかという、ちょっとがっかりさせられるというか、底の浅い限界を見せられるようでもありました。
それもこの手のモールが近くに存在しなかった田舎ならまだしも、同じようなものがすでにいくつもある福岡都市圏内で、なんでいまさらこんなにまで同じことをするのかと思います。
日本人の商売人は、日夜勉強を怠らず、ライバルを研究し尽くし、お客さんのニーズを徹底的に分析し、おそらくは連日のように会議やディスカッションなどを繰り返しているものと思われますが、その結果がなんの新鮮味もない、既存のモールの模造品を作り上げただけという現実は、あまりに思慮と冒険性がふたつながら欠落しているように思います。
新しいことを作り出せず、既存のスタイルをただ踏襲するだけでは、そのこと自体がすでにもう内向きだと思いますね。