管理意識の欠落

昨日は午後からむしむしすると思ったら、夕方から雨となりさっそく除湿器を回しています。

有名メーカーのセレクションセンターなどは常時、湿度は47%、温度は24℃に維持されているそうですから、これを一応の理想基準として自分のピアノの管理の参考にしたらいいと思いますが、なかなかそこまではできません。
マロニエ君の場合は湿度は50%前後、気温は20〜25℃といったところですが、就寝時は部屋が無人になるためにエアコンは止めますので、朝までは若干の寒暖差がおこるのはやむを得ないところです。

しかし、このピアノ管理というのは実は素人のピアノ好きのほうがよほどちゃんとしているくらいで、ピアノの先生やピアニストの中には、まったく信じられないような酷い人が多いのは、知る限りでもそうですし、人から聞く話でも同様のことは際限なく聞こえてくるものです。
いわばピアノの専門家の所有でありながら、ほとんど虐待とでもいいたくなる扱いのピアノは少なくありません。

ピアノの先生というのは、表現が難しいですがいろんな意味に於いて視野が狭く、本当に先生として尊敬できる人物、演奏の技量、音楽的な造詣、楽器の知識などを兼ね備えている人なんて、まさに文字通りの一握りの別格例外的存在です。

ピアニストはピアノの先生よりも演奏を本分にしているだけ、ピアノを弾くための単なる指のスポーツ的テクニックだけは先生よりも上だと言えるでしょうが、それ以外は大した差もなく、ピアニストでもピアノの事を何も知らない、ただの道具としか思っていない人のほうが圧倒的に多いようです…残念なことに。

タッチなども、極論すれば、たぶん重いか軽いか以外の判別能力は実はほとんどないでしょう。
ピアノの評価も派手な大きな音がするピアノを良しとして、少し地味でも本当に美しい音を出すようなピアノの良さがわからず、言下に「鳴らない」などと言ってしまうなど朝飯前。
レッスン室ではグランドピアノの真下に電気ストーブを入れているとか、ピアノの上に花瓶を置くなどという話はゴロゴロですし、メトロノームはあっても湿度計はなく、ましてやピアノのために除湿器を回すなんてことはあり得ないような人が大半です。

そうかと思うと、ピアノにはいつも重々しいカバーがかけてあったり、毎度毎度キーのフェルトカバーを置いたり取ったりすることだけはぬかりなかったりと、いったいどういう部分を大事にしているのか理解に苦しみます。

ピアノの管理とは限らなくても、世の中には湿度に対してそうとう無頓着な人が多くて、この点ではどちらかというと敏感なマロニエ君などは驚くことが少なくありません。
ベタついた湿度の中で平然としている人を見ると、思わず野蛮人のように見えてしまいます。

リサイタルをするようなピアニストでさえ、梅雨の時期にもエアコンを入れず、雨が降っていてもかまわず窓を開けて平気で練習するといった冗談みたいなことをするという、正にウソみたいな本当の話があるのです。
こんな無神経な人が、リサイタルをすることだけには異常に熱心だったりするわけですが、そんな人の演奏は聴きたいとも思いません。

そんな驚くべき管理の悪さは棚に上げて、たまさか調律師が来ると、後日どこどこの音がおかしいだのと日ごろの自分の管理は棚に上げて、お金を払ったとたんにクレームだけはつけたりするようで、調律師もたまったものではありません。

あれ?ピアノの管理のつもりがつい脱線してしまいました。

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