昨年の夏に何度か書いた庭の草戦争ですが、今年もついにはじまりました。
というよりも、戦いにおける先手必勝の法則に倣えば、出だしで大きくつまずいた感のあるマロニエ君です。
昨年は薬物投下により勝利宣言をしていたわけですが、今年はつい油断してしまい、毎日ばたばたしている間に、敵は春の陽射しをシャワーのように浴びて、日に日にその姿をあらわにしてきました。
つい先日、一度だけ簡単に除草剤をまいていたのですが、時間がないことと、けっこうこれが重労働で疲れるので中途半端に終わらせていたのですが、その間にもぐんぐん伸びてきてしまい、庭は一面緑のヒゲが伸びたように雑草の海になりつつあります。
早くしないとと気持ちばかりは焦りますが、なかなかその作業に取りかかれないのが毎日気がかりです。
方法としては、除草剤の原液を希釈して、ジョーロでまいていくのですが、自分の足にかかるとよくないので、ガレージから長靴を取ってこなくてはならず、たったこれだけのことも面倒臭くて何度か延期してしまいます。
どこかで腹をくくって、時間をつくってやってしまえばいいものを、ぐずぐずしているうちに敵は確実に進撃してくるのがなんだか恐ろしくさえなってくるわけです。
ところがこうしてモタついているうちに夕方から夜中にかけて雨になったりすると、まだ薬をまいていなかったことが逆に良かったように思われるというか、もし実行していたら、あえなく雨で流されるところだったと考えて、一時的にホッとしたり、しかし雨上がりはまた一段と伸びてくることを考えるとウンザリしたりの繰り返しです。
こう言ってはなんですが、怠け者というのも結構かかえるストレスは大変なものです。
また、この時期は木々から新芽やらなにやらが多く萌えだして、それを情緒として楽しむヒマもないほど、木の芽などいろんなものが毎日盛大に降ってくるわ、樹液でいろいろ汚くなるわでうんざりです。
距離を持って見ているぶんには緑はほんとうに美しいものですが、ちょっと身近の植物というのは実は不気味でグロテスクな一面があるものです。
樹下には自然に生えてくる木の新芽も数多く、一見これは自然の営みでかわいらしいもののように見えますが、さっさと摘みさっておかないと、一年もほったらかしにすると、もう引き抜くのも並大抵ではないほどの成長をしてしまいます。
こういう労働を怠ると、草木はそれこそ傍若無人な振る舞いを始めて、それこそあたりは不気味な状態となってしまいます。
これがアウトドアの作業とか庭いじりが好きな人なら、楽しみにもなるのかもしれませんが、マロニエ君の家にはあいにくと該当する人間が一人もいないので、いつもイヤイヤながらこの始末に追われていまいます。
ときどき、庭中にコンクリートでも流し込みたくさえなります…。