黄砂

昨日は、郊外まで出かけたのですが、あいにく黄砂の影響で景色はどこを見ても限りなく重々しく霞んでいるようでした。
普通の霞や曇天と違うのは、空気がどこまでも薄茶色に汚れている感じのするところです。

黄砂を見ていると思い出すのは中国です。
中国に行くと上海でも北京でも、たえずこの色の空に覆われていて、そんな中に不自然かつ奇抜なセンスの高層ビルが林立しているのが現代の中国都市部のお定まりの眺めです。

これはいうまでもなく、年々その範囲を拡大しているらしい内陸の砂漠地帯から砂塵が風に乗って撒き散らされるためですが、この影響は日本でもかなり深刻なもののようです。

昨日も気がついたのは、走っている車の屋根やボンネットなどが、うっすらと黄粉をふりまいたように茶色に汚れていることで、これまでの黄砂だったらダーク系の車でそれを確認することが出来る程度でしたが、福岡ではここ数日黄砂が続いたためか、今回は白やシルバー系の薄い色の車でもそれがはっきりとわかり、やはり相当量が降り積もっているものと思われます。

マロニエ君は最近でこそ少し小康を得ているものの、もともと呼吸器がそれほど強いほうではなく、数年前は喘息治療で専門医のもとへ通院したりしていました。
親しい知人の医師が言うには、そのまた医師仲間である呼吸器が専門の医師の話によると、要するに日本人のぜんそくの多くは主に黄砂に起因しているというのだそうです。

黄砂がなくなれば日本の喘息患者の多くがより快適な体調を取り戻すことができるのだそうですが、そうはいってもこればかりは自然現象でもあるし、日本の東に中国大陸が存在するのは如何ともしがたく、まさか国が引っ越しをするわけにもいかないので、これはどう考えても解決の見込みはないようです。

しかし、たえず呼吸をしている人間(動物もですね)の肺には、現実にそれだけの量と時間、黄砂の成分が入り込んでいるわけで、それを思うと考えただけで呼吸が苦しくなりそうな気分になります。

巷ではたばこの煙が厳しく規制されていて、愛煙家には申し訳ないもののその恩恵に浴しているマロニエ君ですが、黄砂も純粋に人体へどの程度の悪影響があるのか、ここは興味のあるところです

黄砂の強い日は車のエアコンももちろん内気循環に切り替えてしまいますが、結局なにをどうしたところで、どのみち日常生活でこれを防ぎ切ることは不可能なので、結局はそれに対する抵抗力をつけるしかないということでしょうね。

そういえば中国には、日本人が普通に親しんでいるような、あの青空はほとんどないような気がします。
飛行機に乗っても、着陸態勢に入って次第に高度を下げると、まず印象的なことは一転して空気がどことなく茶色っぽいこと、海はおしなべてどんよりと濁っていることです。

逆に日本に帰ってくると、どこを見てもその澄んだ空気の美しさ清々しさに驚かされますが、ここしばらくはそれも望めそうにありません。

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