湿度計の賞味期限

湿度が気になる季節に突入したこの頃、マロニエ君は湿度計を日に何度見ているかわかりません。
見たからといって、とくにどうということもないのですが、なんというかクセみたいなものでしょうか。

さて、ある調律師の方のホームページを見ていると、湿度や温度と音程のことなどについての記述があって大変勉強になることがありましたが、その中のひとつに、「湿度計は年月を経ると精度が低下することが避けられない」という文言があり、これにはドキッとしてしまいました。

しかも、市販のものでは精度が著しく劣るものもあり、ひどいときには15%も誤差(というか、ここまで来るとデタラメ表示というべきですが)があり、まず製品自体がちゃんとしたものでないとアテにならないのは当然ですね。
そのホームページには、精度の高いメーカーのオススメ商品まで紹介されていますが、それとても3年も経てば精度が落ちてくるから信用できなくなると受け取れるような書き方がしてあり、それぐらい経ったら校正に出すか新しいものを買ったほうがいいとアドバイスしています。

さて、マロニエ君の使っている湿度計は、3年どころか、優に10年以上前(もしかしたら20年?)のもので、お説の通りだとすると、これはとてもじゃありませんが信頼に足らない状態だろうということが推察されました。
そうとも知らず、そんなものを毎日眺めて一喜一憂しているなんて、自分がなんと愚かしいかと思われて、いてもたってもいられなくなり、さっそく件のオススメメーカーの温湿度計を買ってきました。

天神の雑貨点に行きましたが、置き時計などは実に多種多様なものがあるのに、湿度計は売り場が別で、店員に3度も尋ねてやっとその売り場に到達することができました。
果たして、オススメメーカーの製品ではありましたが、種類は二種類しかなく、そのうちのひとつを購入しました。

帰宅後、さっそくピアノの上に置いてみますが、正しい目盛りを示すには1〜2時間かかると説明にあり、その結果、今まで使っていた湿度計よりぐっと高い数値でも示したらどうしようかと不安でした。

さて、すでにそれから数日が経過しましたが、なんと古い湿度計との差はわずかに1%ほどで、なーんだ、狂ってないじゃん!と思いました。経年変化で精度が落ちるなんて、理論的にはウソじゃないだろうけれども、技術系の人のお説は理屈が勝っていて、いささか大げさな思い込みがあるのかとも思いました。

まあ、あえて慎重に考えるなら、もともと大したこともない湿度計の精度が落ちて、それが偶然正しい数値を示していたということも可能性としてはありますが…でもやっぱりこれだけほとんど同じ数値を仲良く並んで示しているということは、単純に古い方も正しかったのだろうと思われます。

無駄な買い物だったようにも思われますが、二つあったほうがより正しい数値を知ることができるでしょうし、これはこれで意味があったと思います。
しかし、ホームページに専門家が懇切丁寧に説明していると、ついそうなのかと鵜呑みにしてしまうのは、できるだけ注意しているつもりですが、やはりあるんだなあ…と思いました。

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