草戦争凱歌

何度書いた草戦争のその後です。

冬の間はおとなしくなりを潜めている多くの植物は、春の到来とともに一斉に芽を吹き、音のない大合唱が始まります。
そのトップを切るのが日本の花のカリスマ「桜」だろうと思います。

この桜の開花宣言と時を同じくして、多くの植物が俄に活動を開始します。
日本には、とりわけ「春」を生命を寿ぐ最高の季節と捉える伝統があり、多くの歌人などはその喜びをあまたの作品にあらわしていたりしますし、大半の人にとっては冬が終わって寒さが遠退き、木々や花々が咲き乱れる春の到来は、いかにも幸福感に包まれる時期なのかもしれません。

これに合わせて新学期が始まり、新年度が始まり、世の中全体が新しくスタートをきるという次第。

そんな春から梅雨にかけてが、実はマロニエ君にとっては年間を通じて最も苦手で過ごしにくい季節なのです。
あらゆる事が冬のほうが快適で清々しいのに、それが終わってむしむしと暑苦しい、皮膚のまわりに何かがまとわりつくようなイヤな季節が、あぁまたやって来くるという印象です。

ひとことで言えば、サラサラした季節がベタベタ季節に切り替わる、それがマロニエ君にとっての春なのです。
さらには植物の急激で過剰な成長が鬱陶しさに拍車をかけます。

雑草のなどはその際たるもので、日一日と高さと量を増やしていき、まさに情け容赦のないその様子は暴力的でもあり、不気味さと不快感が募ります。

昨年はついに除草剤という「化学兵器」の投下により、まずまずの結果を上げていたので、今年もむろん最出撃するつもりでいたのはいうまでもありません。
ところが雑草軍の進撃は予想以上に迅速果敢であり、ゴールデンウィーク前にはかなり厳しい状況となり、これはいかん!とばかりに友人を呼びだして、除草剤(市販のものを希釈して使う)を考えられる限りの場所に正に「撒き散らし」ました。

この除草剤というのは、撒いたからといってただちに翌日から枯れるわけではなく、最低でも10日ぐらいはかかります。
我が家の場合、すでに散布して4週間ほどが経過していますが、果たしてその状況とは?

草の生えていたあたり一面は柔らかな茶褐色となり、雑草軍の進軍はものの見事に食い止められ殲滅されています。
驚くべきはその薬の効能で、一面を覆っていたそれなりに美しい苔なども、この際犠牲になることは覚悟の上だったのですが、なんとそれらにはなんの被害もなく、突き出ていた草だけがうす茶色に枯れ干からびて、地面に小さく張り付いているのは驚きでした。

これはすごい!すごいとしかいいようがない!
この除草剤のおかげで蚊の発生も劇的に少なくなり、これはもう我が家の救世主のような存在になりそうです。

可愛がっていた犬も今はもう天国ですし、庭ではキュウリの1本も作るわけではないので、もはや躊躇するものはなにもなく、今後は定期的に散布していかなくてはと身も心も引き締まっているところです。

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