音楽関係の書籍、わけてもマロニエ君の興味の対象であるクラシック音楽関係の書籍というのは、発行部数も少ないのか、数年もすると書店や楽器店から姿を消してしまいます。
ピアノ関連でも、レッスン関係の本は比較的ありますが、文化論的なものはそれほど多くはありません。
すぐに買って読みたいというほどのものではなくても、一定の関心を抱いて、そのうち購入しようなどと油断していると、ついその本のことを忘れてしまい、何かの拍子に思い出して買う気になったときは、もう無くなっていて、調べてもらったら廃刊になりましたなんていうことも何度か経験しました。
一般性があって売れ行きが見込めれば、版を重ねて再販もされるでしょうが、クラシック音楽関係の書籍でそれが行われるようなものはめったにない気がします。
つまり、目についたときには、ある程度のタイミングで買っておかないと、後からはもう手に入らなくなるというのがマロニエ君の体験から得た認識となりました。今目の前にあるものは、できる限りサッサと買っておくべしという掟です。
それいらい、どうしようかな?と思うぐらいのものはできるだけ買うようにしていますが、買ったにしても、本というのはすぐにそれを読みたい気分の時と、そうではないときがあるものです。
さらに読みかけの本などがあると尚更です。
というか、そもそも本はすぐに読みたいときに買うものですが、音楽書はそれが難しいということになるでしょうか。
そういうわけで興味を惹くものがあったときは、できるだけ早めに購入するようにして、すぐに読まない場合はひとまず本棚に入れておくというスタイルが出来上がりました。
ところが、これはこれで意外な落とし穴があったのです。
買ってすぐに読んでおけば、その本に対する記憶や印象というものが何か残るものですが、ただ買ってきて本棚に入れただけでは、印象がスーッと消えてしまうことがあり、そうなるとどうなるか?
もうおわかりだと思いますが、買ってしばらく未読のままにしているとその本のことは完全に記憶から抜け落ちてしまい、書店でまた同じ本を見たときに誤って重複買いしてしまうという、まことに阿呆なことをやらかしてしまいます。
つい最近もこれがあり、しかも二度続いたのには我ながら嫌になりました。
大したものでもなく、2冊持っていても仕方がないので、先月に一人、今月もう一人と、ピアノの友人にこれらの本を進呈しました。尤も、大したものならきっとすぐに読むはずですが、中途半端なものだけに放置してしまうのかもしれません。
逆に、ちょっと値段が高めなので次に来たときに買おうぐらいに思って、いったんは購入を見合わせて引き上げて帰宅してみると、なんとそれ、既にもう買っていて、今日書店で悩んだはずの本がちゃんと自分の本棚に入っていてびっくりしたこともあるのです。
高い本を重複買いしなくてよかったとホッと胸を撫で下ろしたことも一度ならずありました。
いいかげん健忘症かとも思いますが、それほど買ってすぐ本棚(しかも普段目に触れる場所ではないので)直行というのは危険だということのようです。