黒い用心棒

なんともまあ、嫌な雨が続くものです。
明日(7日)は晴れ間が出るような事も言っていますが。

マロニエ君にとってはこの季節、ピアノ管理が大事とはいいながらも、しょせんは一般家庭のことなので、ホールのピアノ庫のようなわけにはいきません。
いかにエアコンを入れようと、除湿器を回そうと、そこには自ずと限界というものがあり、このところのこれでもかといわんばかりの鬱陶しい雨天続きでは、とりあえず少々の抵抗は試みるものの、最終的には太刀打ちできないものです。

しかし、今年はなにしろダンプチェイサーのお陰で、ずいぶん助けられていることは実感しています。
もちろん季候そのものがいい頃に較べれば幾ばくかのコンディション低下は避けられませんが、それでも例年のことを思い返してみると、頼もしい助っ人のお陰でたしかに違います。

とりわけ今年の梅雨は悪性とも呼びたいほどで、これだけ長期間に及ぶしつこい雨と高い湿度の集中攻撃を受けると、ピアノはかなりくたびれた疲れた感じになるものです。
例年なら、梅雨はマロニエ君とピアノは一心同体とでもいうべき疲れを見せるのですが、今年は心なしか、いや確実に、ピアノはある一定の元気さを保っており、確実に人間のほうが負けていることは間違いありません。

まあ、ピアノ好きのマロニエ君としては自分よりもピアノのほうが多少でも元気でいてくれることは、歪んだ喜びがあるもので、やはりダンプチェイサーを取り付けたことは正解だったと思っています。

それにしても、このところの悪天候はなんなのかと思うばかりで、ようやく晴れ間が出たかと思えば、それもつかの間、すぐにまた激しさを伴う雨が数日続くというパターンの繰り返しです。昔は梅雨といっても、ここまで厳しく過ごしにくかった覚えはあまりないのですが、他の皆さんはどうお感じなのだろうかと思います。

ちょっと玄関を出ると、そこはまるで風呂場かサウナのようなムシムシ状態で、聞くところによると北海道でもかつて無かったほど確実に気温が上昇しているのだとか。
もしかしたら日本は熱帯化しているのではとさえ思ってしまいます。

車に乗って驚くのは、ガレージのシャッターを開けて外に出ると、ガレージの内外だけでさえ湿度差があるらしく、バックで路上に出た途端、前後左右のガラスが一斉に曇ってしまい、前に進むにはいきなりワイパーの出番となります。
これは走り出すとほどなく消えて無くなりますが、今度はエアコンで車内が冷えてくると、これで再びガラスが曇ってしまいます。

というわけで家も、塀も、なにもかもが雨に濡れそぼって重い病気のように見えてしまいますが、そんな中に湿度大敵のピアノを置いている現実を思うと、なんだかもう無性に気が滅入ってしまいます。
とにかく、今年もしもダンプチェイサーをつけていなかったらどうなっていたかを考えると、思わずぞっとしてしまいます。

実をいうとあと1~2本追加購入しようかという誘惑にかられましたが、それもあんまりなようで、さすがにそれは止めました。
でも、ここ毎日の天気からすれば、一台のピアノに3本ずつぐらいつけたいような気がするのは事実です。
もちろん「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですが、効き方は非常にマイルドである上に、自動調整機能が付いていますから、感触としてはピアノを痛めるやはり心配なさそうです。

いつになったらこの「黒い用心棒」が要らなくなることやら。
当分それはないことは間違いないでしょうね。

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