メラミンスポンジ

プリンターのインク切れは面倒なものです。

以前はインクが無くなる度にカートリッジを買っていましたから交換は楽でしたが、これも馬鹿にならない値段です。
そのうち補充用インクというのがあることを知り、以来これをメインに使うようになりました。

マロニエ君のプリンターはキヤノン(「キャノン」とは書かないそうですね)で、お定まりの黒と、カラーの青、赤、黄ですが、どうもこのインクは使った分だけ減るのではないらしく、時間経過によっても自然に無くなってしまうということがわかってきました。
いつもインク補充のタイミングは、大事なときに突然やってきますが、マロニエ君はこれがとってもイヤなのです。

というのは、どんなに注意しながら慎重に作業しても、指先には必ずインクが付いてしまうからです。
何度か「今回こそは!」と手を汚さないように気合いを入れて挑戦しましたが、これが一度として成功したためしがありません。
つい先日などは急ぎの状態のときにインク切れになったために、大慌てで補充したのですが、そのぶん作業も粗っぽかったのか、カートリッジの上から下からインクは漏れ出て、指先はもう惨憺たる状態になりました。

調理などに使うゴム手袋でもすればいいのかもしれませんが、どうもいちいちあんなものをするのも気が進みませんし、そのために台所まで取りに行くのも面倒臭いのです。マロニエ君は神経質な一面があるクセに、こういうところはけっこうだらしないのです。

さて、このプリンター用のインクですが指先がこれに染まると、生半可なことでは落ちません。
石鹸で洗ったぐらいではせいぜい染みが薄くなる程度で、リムーバーの類を使えば多少はいいのかもしれませんが、あんなものでごしごしやるのも手が荒れそうでイヤだし、いつもは大抵、自然に消えるのを待ちますが、経験的に汚れた当日消えてしまうことはまずありませんでした。

ところが、この日はすぐに出かける予定があり、その用向きから言っても、両手の指先がインクまみれではいくらなんでもちょっとまずい状況だったのです。
やむなくリムーバーの使用も考えましたが、その前に洗面所でちょっとひらめいて、ものは試しと、いま流行のメラミンスポンジを使ってみました。ホームセンターや100円ショップで売っている真っ白いドイツ生まれの激落ちスポンジとやらで、切って茶しぶ落としなどに使うあれです。
たまたま洗面所にこれを小さく切った断片があったので、これを少し水にひたしてインクの染み込んだ指先をこすってみると、な、なんと、アッという間にインクが落ちて、両手はウソみたいに元通りになりました。それもほとんど力も入れずに2〜3回擦っただけで、ほぼ完璧にインクが落ちてしまったのは驚異でした。

茶しぶ落とすという力は、こんなにもすごいものかと思いましたし、よく化学雑巾の類にも注意書きで「家具などは傷を付ける場合がある」と書かれていますが、さもありなんと思います。

この手は、下手な洗剤よりもある意味よほど強力で、そのぶん人の皮膚などにも使い方しだいでは攻撃的なんだろうなと思いました。
「あきらめないで」の石鹸も実はそうとう強烈らしいし、化学繊維を使った洗顔布みたいなものもありますが、よほど注意しないと恐いような気がします。
手が一発できれいになったぶん、油断も禁物のようです。

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