偉大なダンプチェイサー

しつこいようですが、ダンプチェイサーの効果をこのところしみじみ感じ入っています。

この時期は年間を通じて最もピアノにとって過ごしにくい時期であることはいまさら言うまでもありませんが、それがウソのようにピアノは至って普通に、あっけらかんとしてくれています。
とりわけ九州地方は湿度が高く、ひどいときは熱帯地方のようで、ピアノ管理には苛酷なエリアだと思われます。

最近は気温の面でもエアコンを入れていますから、それなりに除湿効果もあるものの、これとて24時間つけっぱなしというわけではないし、夜中はエアコンがない状態。おまけに一台のほうは毎回片づけるのが面倒で、ずっと譜面立てを立てたまま、フタを開けた状態でほったらかしですから、本来ならかなり湿度にさらされていることだと思います。

このピアノは奥行き2m以上ある中型のグランドですが、ダンプチェイサーはペダルの後ろに鍵盤と平行に一台しか付けていません。
本来ならアクション用と響板用に、前後二つ使ってもいいようなものですが、とりあえず一台だけでも至って快調なのは、本当に驚くばかりです。

ダンプチェイサーの存在は昔から知っていたのに、なんで使わなかったのかと今ごろ思っているところですが、考えるに、大した根拠もなく効果の程に疑いを持っていたことと、なんらかの「副作用」があるのではという警戒心があったと思います。

それと、なによりも自分のイメージだけで実体を知ろうとせず、専門家にも確認しなかったことが大きいと思います。
以前も書きましたが、親しい調律師さんにダンプチェイサーのことを尋ねたら、ピアノ管理においてはこれぞ一大革命と言っていいほどの優れものだという返事が速攻で返ってきたことは、聞いたこちらが驚きましたし、これが最終的に決め手になりました。

想像段階では、とりわけ電気によって熱を発生させるというところが、なにやら本能的に「木に悪い装置」では?というイメージでしたが、この点は取り付けてみてわかりましたが、スイッチオンの状態でもほんわか暖かいぐらいで、とても熱いというようなものではないし、さらには本来の取り付け位置よりもうんと離して装着していますから、まずピアノがダメージを受ける心配はありません。
スイッチが入っているかどうかは、実際に触ってみないとわからないほど軽いもので、よくこんなものでこれだけの効果があるもんだと感心します。

思い返せば、一時は除湿器を2台体制でフル稼働させていましたから、自分なりにやるべきことはやっているという自負があったのかもしれませんね。つくづく自分が馬鹿みたいです。

しかし、実際にダンプチェイサーを使ってみると、どんなに除湿器をガンガンまわしたところで、たった一本のわずか25Wのダンプチェイサーにはるか及ばないことがわかり、あー、ずいぶん長いこと損をしたような気分です。

何事も効率のよい方法、賢いやり方というものがあるのだというのが、いまさらながらわかりましたし、努々決めつけはいけませんね。

偉大なダンプチェイサー」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    初めまして。私はペトロフのアップライトを所有しておりまして、除湿対策には、ご存知のように除湿機とエアコンを併用しております。
    異論があるかもしれませんが、一般的にピアノには湿度50%位が理想と言われていますね。(ヨーロッパ製はもうちょっと低めの40~45%を推奨しているメーカーもあります)
    私も一時、このダンプチェイサーを検討したことがあります。
    理屈としては、ピアノ内部にヒーターを設置して、外部より数度温度を高くして、内部の湿気を追い出す、あるいは温度が上がることにより、相対湿度を低下させるというものですね。
    しかしどうにも納得がいかないのは、ピアノというものはあらゆる所に隙間があいており、内部と外部の空気は遮断されている訳ではないという事です。
    (パネルで囲まれていますから、内部の空気は籠りやすいという事はあるでしょう)
    例え内部の空気が暖められて湿気を帯びた空気が排出されたとしても、ピアノを設置してある部屋の湿度が相当高ければ(部屋の湿度に関係なく、内部の空気が排出されれば、その分外部の空気が入ってくるはずです)、その湿気を帯びた空気が内部に浸入してきますので、何ら意味をなさないと思うのですが、いかがでしょうかね?
    また温度を上げる事によって相対湿度を低下させると唱える方もいるようですが、例えば、25℃、80%の環境があったとして、これを温度だけ数度上げたところで、ピアノに好ましい50%まで下がるかというと、これはありえない事です。マロニエ君のピアノ設置環境は分かりませんが、除湿機2台をフル稼働させれば、相当の水分が除湿機のタンク内にたまるはずです。
    こちらの方が遙かに理にかなっていると思うのですが、いかがでしょうか?
    25Wのヒーターで暖めても、その湿気は一体何処に行くの?と考えれば、
    おのずと明らかだと思います。
    また、この商品を扱っているピアノ店に理屈を訪ねても、ちょっと突っ込みを入れるとシドロモドロになってしまい、納得の行く説明を得ることはできません。
    納得がいかないのでさらに突っ込むと、これを装着したピアノで調子が良くなった例を体験してる、でもその説明じゃ、除湿は出来ないでしょ?
    こうなると無限ループなので、それ以上説明を求める事はあきらめます。
    つまり、売っている方もキチンと理解していないという事なんだと思います。

    マロニエ君、いかが思われますか?

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ダンプチェイサーで検索してこちらのブログに辿り着きました。
    ヤマハのC2なのですが、我が家は湿気が多いのかアクションの動きが悪く、
    グランドなのに同音連打がうまくできません。

    調律師に調整をお願いする予定です。
    しかし環境を改善しないと元の黙阿弥と思い、除湿機の購入を検討しているのですが、ダンプチェイサーの効果の方が高いでしょうか?

    除湿機の方が部屋全体を除湿し、何Lも水が溜まりますので、
    それよりもダンプチェイサーが効果があるというのは信じられません。

    グランドには内部ではなくむき出しの状態で設置しますが、効果があるのかという疑問があります。
    実際にお使いになってみていかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です