なでしこの品格

「なでしこジャパン」が世界最強といわれるらしいアメリカを破って、2011 FIFA 女子ワールドカップで優勝するとは、いかにスポーツオンチのマロニエ君でもビックリ仰天の出来事でした。
どんなことでも世界の頂点に立つということは、それはもう並大抵のことではありません。

この様子をみていてスポーツオンチのマロニエ君なりに感じたことがあります。
それは、やはり女性は強いということ。とりわけ精神面でのそれは男とは比較になりません。

普段スポーツ番組なんてまず見ないものの、さすがにオリンピックとか、サッカーのワールドカップとか、巷で話題が持ち上がって騒然としだしてから、ようやくちょっとだけ見ることがあります。

日本選手に限っていうと、男子と女子では、まるきり攻め方がちがうと、わからないながらも思いました。
女子のほうは思い切りがいいし、度胸があるし、ここぞというときに一か八かの勝負に出るし、そもそも勝負に対しても一致団結して無心にプレイに打ち込んでいる様子を感じさせられました。

その点じゃ、男子はマロニエ君が知らないだけで、たぶんスーパー級のスター選手がたくさんいて、その選抜段階から大変な話題のようですが、そんなエリート集団というわりには、見ているとずいぶん慎重で、スポーツなのにいっかな激しさとか勝負の醍醐味みたいなものがなく、堅実で安全第一のプレイをしているように見えてしまいます。

もういいかげんここらでバシンとシュートしたらよさそうに思えるときでも、男というのはビビるのか、作戦なのか、意識しすぎて縮こまっているのか、あっちにこっちにパスばかり繰り返して、より確かな状態を作ろうとしますが、そんなことをやっているうちに敵側からボールを取られ、何度も好機を失うような印象をもった覚えがあります。

その点、女子のプレイはもってまわったところのない、実に歯切れのよい、勝負らしい勝負を素人にまで明快に見せてくれたし、しかも優勝という最高の結果まで出したのですから感無量、まことにお見事でした。

成田に帰ってきたときも男子とのちがいを感じるところがありました。
みんな一様に気さくで愛嬌がよく、態度が自然で、しかも喜びにあふれており、見ていて気持ちのいい光景でした。
これはなにも優勝したからというだけではない、本質的なものの違いを感じましたし、その気持ちの良さの裏には、これまで見ていた男子選手の、どこか俺たちはスターなんだという風な態度が記憶にあったのだとも思います。

たかが…といっては言葉がわるいかもしれませんが、スポーツ選手なのですから、なにもそこまで意識することもないと思いますが、男の選手はみんなプンとして笑顔のひとつもないし、群がるファンにも手をふるでもなく無反応でサーッと通過していく姿は、ちょっとプロのスポーツ選手としては勘違いしているんじゃないかと思います。

なでしこの面々はその点で、我々の期待を裏切らない対応で、最高の結果を出しておきながら、偉ぶらない素朴な態度は好感の持てるもので、彼女達を見習うべき選手は多いのではという気がしました。

アメリカなどでも大リーグの選手などは、スター選手の責務としてのファンサービスというものを、まずはじめに叩き込まれると聞きましたが、日本のスポーツ男子はそのあたりはちょっと意識が違うようですね。
マスコミはじめ、みんなで甘やかしているのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です