2010年2月20日 (土) 小さなリサイタル

田舎にある百年前の百姓屋を改装した、珍しい会場でのピアノリサイタルに行ってきました。
独特の雰囲気があたりを包み込み、とても素敵な空間でした。

ただ、この場所固有の音場のせいか、ピアノが不思議なほど鳴らないのが最後の最後まで気になりました。
見上げると、建物の中央に大きな梁のようなものがあったので、それが音の拡散を妨げているのか、あるいはピアノそのものの問題なのか、人が多くて席をかわることができず、その原因をよく突き止められないまま終わりました。
ただし、トイレに行く際にピアノをチラッと見た限りでは、フレームの形状からしても、それほど古いくたびれたピアノとも思えませんでしたが。

小さな会場でのサロン的なコンサートそのものは賛成ですが、これらの会場に共通する欠点として、椅子がかなり簡略なものとなり、この手の椅子に延べ3時間、声も立てずにじっと座っているということは、それだけでかなりの体力と忍耐を必要とします。これは忙しく動き回っておられるスタッフの皆さんには意外とわからない苦痛かもしれません。

素晴らしかったのは、建物の外のあちこちにおしゃれな蝋燭の炎がものしずかにゆらめき、これがまたやわらかでヒューマンな雰囲気作りに大きく貢献していました。
逆に屋内は、演奏がはじまるとピアノのまわり以外は、まるでお化け屋敷のように真っ暗になってしまいましたが、マロニエ君が目が疲れやすいこともありこれはきつかったですし、同様の方はかなり多かっただろうと思います。目の疲れもさることながら、万一の安全上の配慮からも、演奏中といえども全体に最小限の照明は必須ではないかと思いました。

しかし休憩時間にふるまわれるコーヒーなどのサービスは(主催者の配慮あってのことですが)、この手の小さなコンサートならではの温かみで、ホッとさせられますね。

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