シロウト内閣

マロニエ君にとって音楽はなによりも大切なものであり、それだけに理想主義的になり、演奏の質などにもある一定のレベルを求めてしまうところがあるのは否定できません。
無邪気な趣味は別とは思っていますが、シロウト芸というものはどうしても善意で捉えられることが多いものの、実際にはそれほどかわいいものばかりではなく、ときにシロウトの作り出すものは不愉快でグロテスクであったりするのが現実です。

そのシロウト芸が最も人々に害悪を及ぼす最悪の場所は永田町で、ここで行われるのは天下の政(まつりごと)ですから、音楽どころの話ではありません。

こんなブログに政治的なことを書くつもりは基本的にありませんし、そもそも書くだけの知識も見識もないのですが、それでも一人の国民あるいは有権者・納税者としてあえて言わせていただくなら、今度の組閣は一体なんだ!?と思いました。

菅さんの場合は、あの異様なしがみつきが終わるのを待ちわびて、ともかくも日本のために一日も早く辞めていただくことだけを切望していましたが、念願かなってやっと新しい代表が選ばれたかと思ったら、またも新たな失望のスタートです。
代表選で小沢氏が差し向けた海江田氏が落選したところまでは当然としても、野田新内閣のスタートを見て、思わず我が日本はいよいよ終わりじゃないかと思いました。

当選早々に「ノーサイドにしましょう」などと言ったかと思うと、党の要職にまた小沢氏の存在に気を遣いまくったような人物を配置するなど、またも同じことの繰り返しが再出発したという印象。
とくに幹事長という党の金庫番と選挙の後任権をあちらに持って行かれちゃお終いでしょう。
党内融和・挙党体制などと言いつつ、誰からも嫌われまいと論功行賞のオンパレード。

とりわけ昨日発表された組閣では財務や外務のような最重要クラスの大臣ポストに、まるで経験のない、そのへんの兄ちゃんみたいな人を任命するなど、開いた口が塞がりません。

だいたい党員の資格さえ停止処分されて、強制起訴されているような人物ひとりに、なぜそこまで気を遣ってゴマすりみたいなことしなくちゃいけないのかと思うと腹立ちさえ覚えます。
震災復興のみならず、落ち込む経済、ますます厳しさを増してしたたかさが求められる外交に対して、あんな顔ぶれでこの難局に対処できるなどと思っている人は誰もいないでしょう。

ああ、またも外国からナメられ、足元を見透かされたような屈辱的な状況がこれからも延々続くかと思うと、情けなくてどうしようもありません。

そもそも「どじょうのような男」とか「泥臭く」などと自ら言ってのけるセンスからしてなんとかしてほしいところ。
普通の人がどじょうでも泥臭くても構いませんが、日本のリーダーたる総理の特色が「泥臭い、どじょう」なんぞマロニエ君はまっぴらです。
泥臭いということを、それだけ真面目で不器用で誠実だというイメージに結びつけたいのでしょうが、あの眼差しでそれを言われると聞くたびに背筋がブルンとなってしまいます。
これで、なにもめざましいことができないまま、後に残ったのは増税だけとなるようではやりきれません。

世界的に見ても日本はなんでもレベルが高いと言われますが、何故こうも政治家のレベルが絶望的に低いのか、これはまったく日本人でありながら理解に苦しみます。

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