本を開けると痒い

アマゾンで嬉しいことは、廃刊になっている本が古書として買えるチャンスがでてきたことです。
これをいちいち古本屋回りで探すなんてほとんど不可能ですから、これはしめたとばかりにときどき利用しているのですが、強いていうならちょっとだけ引っかかるのは自分の目で確認できない中古品だということでしょうか。

マロニエ君は性格的に中古品というのがあまり得意ではなく、だからリサイクルショップなどに行くと、あの独特な重ったるい臭いだけですっかり気が滅入ってしまいます。
べつに新品じゃなきゃイヤだというようなこだわりがあるわけではないつもりですが、誰が使ったかもわからない品々を前にすると、顔の見えない生活臭を感じて少なくとも明るい気持ちにはなれないのです。
それだけ物には使い手のなにかがこもっているのかもしれませんが。

本の場合は、小学生の頃から図書館というものにも親しんできたし、新書ばかりにこだわっていたら欲しいものが永久に手に入らなかったりするので、そこは自分なりに少し割り切りが出来ています。
それに、本は子供のころから伯父伯母から古い本をもらったりすることもあったし、父の汚い蔵書にも馴らされていたせいか、比較的抵抗はないほうだと思います。
アマゾンは中古といっても、ほとんど新品では?と思うようなものが届いたことも何度かあり、そんなときはすっかり得をしたような気分です。

なによりも書店では絶対に買えない本が、こうして再び手に入る可能性が開けたというのはとても貴重なことなので、喜びのほうが先行してしまうらしく、中古品であることはほとんど気にしません。
でも、それがもし自分にとって何の価値もない本だったら、そうそう好意的には受け止められないだろうと思われますから、これは専ら自分の都合と気持ちの身勝手な絡み合いだと思います。

ただ、そういう気持ちの問題とは別にちょっと困ることがあるのも事実です。
先日もずいぶん古い本をアマゾンで探し出して購入したのですが、送られてきた包みを開けたときは、とりあえず本の状態などを確認すべく表裏や中のページなどをパラパラと確認するのがいつもの習慣です。

ところが古い本は、それをやっていると両方の手首から先ぐらいが妙に痒くなってくる場合があるのです。
もしかしたら、ここに書くのも恐ろしいようなものが長い年月の間に付着しているんでしょうか。

比較的新しい本の場合は古書でもそういうことはまずないのですが、先日は数十年前の絶版書だったために、油断して自室で開いてパラパラやっていると手がチクチクしてきたので、すぐに中断し、本は廊下に出してすぐに手を洗うととりあえず治りました。

こういう場合は、お天気の良い日に虫干しをするとすっかり良くなりますが、そういうときに限って何日も曇天だったりしてヤキモキさせられます。
マロニエ君の場合、本は寝て読むので、就寝中も本はいつも枕の脇に置いているのですが、こういう本で処理が悪いと、本からシーツへと何かがぞろぞろと移動することもあるのかと思うと、ウエエ、それだけは耐えられません。

アマゾンに出品している店舗情報によると、商品は除菌してから梱包して送る旨書いてありますが、それはちょっとあてにはならないようです。
本を殺菌する電子レンジみたいなものがあればいいんですが…。

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