福岡ピアノクラブ2周年

ピアノクラブの発足2周年の節目に当たる定例会が行われました。

会場はパピオビールームという福岡市が運営する音楽練習場で、そこの大練習室。
この施設を利用するにはすべて抽選での申し込みが必要で、数ヶ月だか半年だか忘れましたが、抽選に参加して、どうにかこの日この会場が当選しての利用というわけです。

大練習室はオーケストラの練習が楽にできる広さがあり、この施設内でも文字通り最大の練習室で、ちょっとしたコンサートなども行われており、ピアノはスタインウェイのDとヤマハのC7があります。
ここのピアノはずいぶん昔(まだ新しい頃)に数回弾いた事があり、そのころはまだ気軽に利用できていたのですが、ここ最近はすべて抽選になるほどの高い利用率の会場であるだけ、ピアノもさぞ酷使されているだろうと思っていましたが、これが思いのほか状態がいいのは嬉しい誤算でした。

この施設が出来た時に収められたピアノで、すでに20年以上経過したはずのピアノですが、なかなか甘い音色と柔らかな響きを持っていて、現在のスタインウェイにはない麗しさがありました。

ただスタインウェイには、このメーカー独特のタッチやフィールがあるために、メンバーの各人ははじめはちょっと弾きづらいというような声も聞こえましたが、マロニエ君に言わせると、むろん完璧とはいいませんが、むしろ良い部類のスタインウェイだったと思いました。
とりわけ公共施設の練習場のピアノとしてはモノも状態も文句なしというべきでしょう。

弾き心地というか、いわゆる弾き易さの点でいうと、たしかに日本のピアノは弾きやすいのも事実で、それが標準になっているのはマロニエ君を含めて多くの日本人がそうだろうと思われますが、ストラディヴァリウスなども初めはどんなに腕達者でもてんで鳴らないのだそうで、その楽器固有の鳴らし方や演奏法を身につけるには、最低でも一ヶ月はかかるといわれますから、ピアノも同様、すべての楽器は本来そういうものだと思われます。

その点では日本の楽器はピアノに限らず、管でも弦でも、あまりにイージーに過ぎるという意見もあるようです。誰が弾いてもだいたい楽々と演奏できるのは、日本製楽器の特徴でそれはそれで素晴らしいのですが、そのぶん何かが鍛えられずに甘やかされているといえば、そうなのかもしれません。

クラブのほうは、定例会が行われる度に新しい方が加わり、いまやかなりの大所帯になってしまっていることが驚くばかりです。

こんな一幕も。
ある方が演奏を終えて席に戻ろうとされたとき、新しく参加された方がその人に歩み寄ってしきりと挨拶をしておられて、一瞬何事かと思いましたが、なんとクラブ員の方が一年前にピアノを新しく買い換えられた時に、前のピアノをネットで売りに出して、そのピアノを買った人が偶然クラブに入ってこられたというわけで、その売買のとき以来はじめて顔を合わされたようでした。

世間は狭いという、まさにそんな光景でした。

いつも通り、定例会終了後は懇親会の会場へと場所を移して、大いに飲み食いして、大いに語り合ってのお開きとなりました。

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