ホールに潜む危険

福銀ホールの階段で女性がマロニエ君の背後でしたたかに転倒して周囲や主催者を慌てさせたことを書いたばかりでしたが、続くアクロスシンフォニーホールでの2台のピアノの第九のコンサートのときには、ソロの途中で演奏者が入れ替わる際、ステージ上ではピアノの入れ換え作業がおこなわれたのですが、そのときにマロニエ君の座っている席から真横のごく近い位置の通路で、またしても女性が転倒されました。

しかも、今回の転倒はいささか深刻なようで、なかなか起きあがることもままならないようで、周辺にはちょっとした緊張が走りました。
通路のすぐ横に席に座っていた女性がすかさず助けにはいり、あれこれと様子を見てあげているようでしたが、やはり立ち上がることが難しく、このころにはよほど転び方が悪かったのかと気を揉みました。

ついには助けに入った女性が抱きかかえるようにして、転倒して怪我を負っているらしい女性を会場から連れ出すべく努力され、なんとかゆっくりとした足取りで衆目の見守る中を退出していかれました。
驚いたことには、床には大量の流血のあとがのこり、思いがけなく目にした鮮血の赤が痛ましくも衝撃的でした。
これはたいへんな事が起こったと思いましたが、それとは気づかずにステージは続行されました。

マロニエ君の想像ですが、ちょっと時間に遅れてしまった女性が、演奏中は動けないので、ピアノの入れ替えをしているタイミングで急いで座席に着こうとして、段差に躓いて転倒されたのではないかと思いました。

かねがねホールの段差というのはなんとなく要注意だと感じていたので、マロニエ君なども自分はもちろん、家人と一緒に行くときには毎回現場で注意を促しています。
広いし、なんとなく薄暗いし、人は多く、席を探しながら段差に次ぐ段差のある通路を進むのはけっこう難しい動きだと思います。

あえて言いたいことは、ホールの段差には、段の縁などに色の違う滑り止めのようなものをつけるなど、もう少しお客さんの足元の安全に配慮して欲しいものだということ。
近ごろは、こういう分野ではなにやかやとうるさい時代で、世の中の認識もだいぶ進んでいますし、中にはそんなことまでしなくてもというような安全策まで講じられている中で、ホールの段差などは一向にその気配があるようには感じられません。

通常の動きでもこうなのですから、これがもし災害時などみんなが一斉に避難すべき状況にでもなったら、果たしてどんなことになるやらと思います。

もともとマロニエ君は、こんな安全面がどうのというようなことを高らかに言うのは好きではないし、そんな趣味はないのですが、やはりホールは老若男女不特定多数の人達が利用する場所でもあるし、こうも立て続けに転倒事故を目のあたりにすると、そのうち自分かもという気もしますし、この点では施設側にももう少し細やかで実際的な配慮が欲しいと思います。
ちなみにその段差には縁に形ばかりの微かなくぼみはあったものの、ほとんど無いがごとしで、とくに高齢者などは最上級の注意が必要となり、これは早急な改善を望みたいと思います。

とくに最近のコンサートホールは高級になるほど、つるつるした木の床だったりするのが仇になっているようです。

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