強気の商売

店名はむろん書けませんが、マロニエ君の自宅からさほど遠くないところに、いつだったか、ある和風スイーツとでもいうべき店が新規開店していました。

甘いものもが好きなもので、あるとき前を通りかかったついでに何か買って帰ろうと思い立ち、偵察がてら店に入ったところ、商品を見るなり、そのあまりの強気な価格には驚きました。
絶対額こそ大したものではありませんが、たかだか○○○○のくせになにを勘違いしているの?と思われて、すっかり買う気が失せました。
自分で言うのもなんですが、こういうときのマロニエ君は遠慮はしない性格なので、一気にアホらしくなって何も買わずに店を後にして、いらい二度と入ったことはありません。
くだらん!という気分でした。

その後、知人や家人の友人など、様々な人の口からこの店のことを聞き及ぶに至りましたが、いずれもその勘違い価格に呆れているような話ばかりでしたが、中にはいったん入店した上は、買わないのも気が引けて一度だけしぶしぶ買って帰ったという人もいましたが、こうもみんながみんな同じ意見ではこの先やっていけるのかと思っていました。

なんでも地元の店ではないのだそうで、他県の老舗とやらが福岡に進出してきた店なのだそうですが、そのいかにも今どきの大衆の高級志向につけ込んだようなスタンスは、そういうものを有り難がらない気質のある福岡ではそう長続きはすまいと思っていたのですが、予想に反してそれからもしばらくはそこで踏ん張っていたようでした。

ところが、昨日その店の前をなにげなく車で通って異変に気付きました。
その店や看板はすべてなくなっていて、すでに別の店舗が営業をしていて、やっぱりなぁという感じでした。

こうなるについては相当赤字が続いたはずで、きっと経営者は苦しかったでしょうが、でもしかし、あれじゃ当然だろうと思ったのも正直なところです。
「高級」を打ち立てるのは容易いことではありませんし、中にはどうして?と思うような店が成功している例もなくはありませんが、やはり著しくピントのはずれているものはお客さんの支持が得られることはなく、やがて淘汰されていくのはやむを得ないと思います。

この廃業した店のすぐ近くには、これまたたいそう強気の商売をしているレストランもありますが、ここも聞くところによるといつまでもつかという意見もあって、内容的にもかなり驚くような話をたくさん聞きました。
マロニエ君は本能的に自分とは合わないと察知していたので、幸いまだここに行ったことはありませんが、それはそれはいろんな話題に事欠かないようです。それでもこういう店を有り難がって行く人がいるうちはいいのかもしれませんが、こんな世相の中、さてこの先どうなるのかという感じです。

行くとお客の方が店側から露骨に品定めされているのがわかるのだそうで、バブルの時代じゃあるまいし、もう少し普通にできないものかと思います。
ちなみに置いてあるピアノも世界のブランドのそれだそうで、はああという感じですね。

「普通に」などというと、何が普通なの?普通ってなに?だれが決めるの?というような問い返しをムキになってしてくる人がいますが、普通とは、その概念の説明をわざわざしなくても済むような尋常な平衡感覚をもった人の、地に足のついた自然な気分のことだろうと思います。

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