今年の春、新装成った博多駅では、大半が建て替えられ、その商業エリアは大きく増強されて大変な話題と賑わいを見せたところですが、その新駅ビルがもたらす人の流れは、多少は落ち着いたもののいまだに続いているようです。
ただしマロニエ君から見ると、あれだけ大がかりな駅&商業エリアの拡充・オープンに対して、駐車場がまったく不充分と言わざるを得ず、駅を駅として使う人にはそれでいいかもしれませんが、電車やバス以外で、つまりは車で博多駅に行く側にしてみれば、この駅に相応しい駐車場設備がないのが大いなる疑問でした。
やむなく新幹線のターミナル上にある古い屋上駐車場や、近隣の民間の時間貸しに頼らざるを得ず、駅ターミナルへダイレクトにアクセスできるような、中心となるべき大駐車場がないというのは、現代の新駅の構想として一体どういう考えなのかと思っていまいます。
以前ウワサでは地下駐車場が出来ると聞いていましたが、ついにそういうものは見あたらないまま春の開業を迎えたわけでした。後から聞いた話では、地下駐車場は建造中で完成が遅れる由で、そこに少しばかりの望みを繋いでいました。
その地下駐車場が半年遅れでこの秋に完成し、ずいぶん待たされたと思いつつ先日行ってみたのですが、なんとも気の抜けるような規模の小さな駐車場でしかなく、しかもはじめの1時間が500円、以降30分ごとに250円と、天神よりも料金が高いのには驚かされました。
おまけに頭上の商業施設とのサービス連携が一切なく、どれだけ飲み食いや買い物をしようとも、委細構わず額面通りの駐車代が要求されるのは二重の驚きでした。
あとから思い返せば、そういう理由からというのが了解できましたが、一番便利なはずのこの駐車場はしかしガラ空きだったのは、はじめは大いに意外な気がしたものです。
それと少々煩わしく感じたのは、駐車場の規模に対して、異様に係員の数が多く、赤い懐中電灯みたいな棒を手に持った男性がそこここに立って、いちいちあっちだこっちだとその棒を振りまわしてガチガチに誘導してくることでした。
普通、地下駐車場などは表示された標識を見ながら進んで駐車するのが普通のことなのに、まるで飲酒運転の検問のように制服を着た大勢の人達から次々に手招きをされるのは、なんだか異様な感じでした。
いまどき一番高いのは人件費で、ファミレスなどはこれをセーブするために、そこで働く人は気の毒なほど少ない人数で広い店を担当させられるようなご時世ですが、この駐車場ときたら、たったあれっぽっちのサイズにあんなにたくさんの誘導員がいるのは、よほど別に何かの理由があるのかと思われます。
さらに納得がいかなかったのは、帰りに車に戻ろうとして場内を歩き出したとたん、数人の係員が駈け寄ってきて、壁際の「歩道」を歩くように、頭を下げながらもほとんど強制的にそうさせる点でした。
そこはいちおうタクシーの乗り場を兼ねてはいたものの、車はほとんどいなくてあたりは深閑としているにもかかわらず、自分の車まで自由に歩くこともできないのは一体何なんなのか!?と思いましたね。
テロの警戒?
…はてさて、まるでそこには原子力施設でもあるかのごとき厳重さだったのは、今だに首を傾げます。
要するにどの角度から見ても快適な施設ではないことは確かで、よほどのことでもない限り、たぶんもう行くことはないと思いますが。