我が家の洗濯機と乾燥機は今どきちょっと珍しいぐらい古い機械なのですが、それというのも購入以来27年間、どういうわけか故障もしないで問題なく動いてくれるので、いまも現役で使っているのです。
ところが先日、乾燥機を回していると、とつぜん回転速度が落ちて、音も若干変化がありました。
うおっ、ついにご臨終か?と思い、年の瀬でもあることから、こんな時期に乾燥機が壊れては一大事だと思って食事に出たついでに大型電気店に見に行きました。
4、5台の衣類乾燥機があり約5万円から7万円というのが相場のようで、「更に値引きします」などと書いてあるものの、あたりには一向に店員の姿もなく、その時は時間もなかったこともあり、とりあえずその場は引き揚げました。
翌日同じ店の、自宅により近い店舗に電話してみて、年内の届けと設置はできるのかということと、古い機械の処分費用などを聞いてみました。
すると意外な答えが返ってきたのには驚きました。
現在は衣類乾燥機においては洗濯乾燥機が主流となっていて、乾燥機単独というのは店舗にも置いていないというのです。
マロニエ君にしてみれば前日、本店の売り場で見たばかりと思っていたら、そこだけ特別なんだそうで、普通は展示することもなく、どこも在庫さえ持っていない。よって、型番がわかれば取り寄せは可能だが、そのぶんの日数はかかると言うわけです。
なぜ単独の衣類乾燥機はそんなになくなってしまったのか?と聞くと、答えは簡単明瞭、洗濯乾燥機が進化してかつ価格も安くなったからというものでした。
安いとはどれぐらいでしょう?と聞くと、だいたい6万から10万というのにはびっくりしました。
マロニエ君は乾燥機だけを見て、洗濯機の前は素通りしていたのですが、これじゃあ、ほとんど値段的に乾燥機を買ったら洗濯機がついてくるようなもので、なるほど乾燥機が単体で売れなくなるのも道理だと思いました。
ふと考えてみれば、我が家の洗濯機とて、今は普通に動いているとはいうものの、なにぶんにもたいそうなご高齢ゆえにいつなんどき昇天するとも限りません。これはどの角度から考えても、新しく洗濯乾燥機を買うのが最も正しい道のようでした。
そうこうしているうちにも、毎日の生活とは洗濯物が次々に発生するもので、それを洗濯乾燥していると、洗濯機は通常通りだし、乾燥機も一時の不調がなくなり、また以前のように何食わぬ顔で普通に動いていて、バスタオルやらなにやらをふかふかに乾かしてくれています。
マロニエ君は音楽とは違って、洗濯機や乾燥機など、動きさえすれば何でもいいわけで、動いている限りは現状でも不自由はなく、もうちょっと粘ってもいいやという気になってきました。
だいいち27年も我が家で賢明に働いてくれているのですから、最期を見取るのもこちらの務めのような気がするし、もし故障したときはサッと買いに走れば早ければ翌日に配達設置してくれることもわかったので、どことなく安心材料も得たような気になっていました。
ちなみに電話でいろいろ質問し、いろいろ答えてくれた電気店のおにいさんによると、メーカーは日立のことばかり言うので、そんなに日立がいいんですか?と聞くと、洗濯機の分野は昔から圧倒的に日立が強いですねぇという(半ば常識ですよ的なニュアンスの)答えが返ってきましたので、へぇそんなものかと思いました。
その後、我が家の老兵たる洗濯機/乾燥機のメーカーなんて意識したこともなかったので、なにげなくその点を見てみると、なんとそこには両機共にHITACHIの文字があって、ハハァやっぱり強いんだ!ということを実感させられた次第でした。