正月二日目

ちょっと買い物などで出かけたついでに、暇だし道が空いてるのでドライブでもしようということになりましたが、べつに行くあてもないので、都市高速に入り、環状線を2周近くまわりました。
福岡の都市高速は、首都高の環状線などより環が大きいので、一周するのもそれなりの距離があり、結構走った気分になれます。

当然といえば当然ですが、この時期、路上の交通量が少ない割りには他府県のナンバーの比率が異常に多くて、それだけ非日常な交通の流れである点は要注意です。
ずいぶん遠くからやってきたのか、ここはいちおう高速だというのに若い女性二人が乗る軽自動車が、時速50キロぐらいでトロトロ走っていて、逆に周囲の車に危険を与えていたりするかと思えば、ほとんどカーチェイス並のスピードで車の間を縫うようにして走り去る車などがいたりと、やはりいつもとは違う状況でした。

危険運転は別としても、適度な速度で走っていくポルシェなどを見ていると、やはり多少スピードはオーバーしていても、運転らしい運転をしている、しまりのある動きの車を見るのはマロニエ君などは気分がよいものです。

車をまったくの実用と割り切って、100%移動の手段という以外に何ものも求めない人は別ですが、多少でも車が好きで運転の醍醐味を求めたいマロニエ君などは、そこには音楽の喜びにも通じる意味でのスピードやリズム、緩急のメリハリや躍動などが少しはないと、とうてい我慢のできるものではありません。
どんなに良くできていても、個人的には音のしないトヨタの車なんかに乗る事などまずないだろうと思います。

夜は友人から誘われてお茶をしました。
先日会ったついでに南紫音のイザイのDVDを渡していたところ、彼もその演奏ぶりには驚嘆して、「現在の若手ヴァイオリニストの中でこれほど官能的な面まで表現できる人は自分は知らない」「もちろん知的な裏付けも充分!」といっていました。

当然、使っている楽器の話になりましたが、フィリアホールのリサイタルの映像では、f字孔の形状がストラディヴァリウスのような形状だそうですが、どうみてもオールドのようには見えないという点でも意見は一致しました。
イザイで南さんが使った楽器は見るからに艶やかで美しく、キズひとつないその感じは、もしや新作ヴァイオリンでは?と思ってしまうし、音色も良い意味で古い楽器ではないような弾力のある瑞々しさがあったと思います。

もちろん真相はわかりませんが、ますますもって新作の可能性が出てきたような気になりました。
もしもマロニエ君がステージで通用するようなヴァイオリニストだったら、天文学的な価格のオールドヴァイオリンなどには欲を出さず、きっぱり最上級の新作ヴァイオリンを使うだろうと思います。
何億もするヴァイオリンを手に入れる算段などできるはずもないし、あれこれの財団などからの借り物というのもイヤですから、そんな暇があったらより良い演奏を目指して専念したいものです。

またそう思わせるほど、イザイを弾いたヴァイオリンは力強く朗々と鳴り響いていましたから、最終的には演奏が最も大切だということに落ち着きそうです。演奏の圧倒的な素晴らしさの前では、下手くそがどんな名器を持ち出しても所詮はナンセンスという気がします。

まあ、これだけ言っておいてグァルネリだったなんていった日には爆笑ですが。

正月二日目」への3件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    あけましておめでとうございます。

    紫音さんのバイオリンは2011年9月現在ではストラディのドラゴネッティ, 可能性が高いです。

    http://www.nmf.or.jp/instrument/list.html

    短期貸与がくりかえされていると思われます。

  2. SECRET: 0
    PASS: b43bed16d5e6a0894102919fa27fbb9b
    すみません。

    フィリアホールで使用したのは ストラディのヨアヒム とインタビューでおっしゃっているサイトがありました。

    http://www.philiahall.com/j/interview/110820/index.shtml

    ストラディに戻ったとまた聞きしていましたが、ヨアヒムについては、

    http://www.nmf.or.jp/instrument/instruments.html

    1715年製ヴァイオリン「ヨアヒム」 Joachim
    Joachim この楽器は、有名なハンガリーのヴァイオリン奏者、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907) が所有していたストラディヴァリウス1715年製ヴァイオリン5挺の内の1つです。また、ヨアヒムからヴァイオリンのレッスンを受けていた彼の兄弟の孫娘アディラ・アラニに遺贈されたことから「ヨアヒム=アラニ」という名前でも知られています。日本音楽財団が購入するまでは、アラニ家によって代々受け継がれてきました。

    だそうです。ドルフィンの1年後とのことで、ドルフィンともどもこのころのニスは明るいのでしょうか。

    新年早々おさわがせしておりますが、今年もブログ楽しみにしております。寒さきびしきおり、ご自愛ください。

  3. SECRET: 0
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    届かなかったのかもしれません。

    フィリアホールで使われたのはヨアヒムと本人がお答えになっています。

    http://www.philiahall.com/j/interview/110820/index.shtml

    ドルフィンの年代に近いのでこのあたりはニスの色が薄いようです。

    届かなかったようで、再送いたしました。

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