ごく最近、カワイから届いたDMによると、「SK現行商品最終チャンス」と銘打って2台のSK-2と1台のSK-3が最後の販売をする旨のチラシが同封されていました。
現行商品最終ということは、当然モデルチェンジしたことを意味するわけで、さっそくカワイのホームページを見たところ、やはりモデルチェンジはしているようでしたが、製品サイトはうやうやしく「3月公開予定」だそうでガッカリです。
そんなに勿体ぶって、どんな変化を遂げているのかと思いますが、なにもポルシェじゃあるまいし、ピアノなんだから外側のデザインが大きく変わることもないだろうにと思いました。
ところが、封筒の中に入っていた小さなリフレットのようなものを見ていると、ありました!
一枚だけ、ほんの小さな写真で新しいSK-7を斜め上から撮った写真がありますが、それによるとすぐにわかったのはボディの内側に貼られる化粧板が、これまでのベーゼンドルファー風の垂直方向の木目模様(これは良かった)に代わって、ファツィオリ風の雲みたいなウニュウニュした木目模様になっています。
これは音とは直接関係のない部分ですが、いささか豪華趣味というか、率直にいって成金趣味的で、ファツィオリでさえあの木目は好きではなかったのですが、それをカワイというメーカーそのものも華がないのに、いやあ…ちょっとミスマッチじゃないかと思いますね。
上級機種だろうがなんだろうが、カワイにはちょっと似合わない印象ですけれども、やはり新型ではさらに一層の高級路線を目指しているのでしょうね。
価格も全体に約1割値上げされていて、SK-7ではついに600万を超えています。
さらに変わったのは、以前からあまりにセンスがないと思っていた、まるでカレー粉を混ぜたような、どちらかというと安っぽい金色に塗装されていた???なフレームの色が、今風の赤味のあるヤマハやスタインウェイに通じる色になり、これはようやく当然の色に落ち着いたというべきで、ホッと安心です。
Master Piano Artisan なる開発技術者の言葉によれば、調律師は声楽家だそうで(なるほど!)、新しいシゲルカワイには声楽家としての発想を採り入れたとありました。
「歌うピアノ」になっているのだそうで、「輪郭をはっきり」させるとありますが、これはあきらかにヤマハのCFシリーズの路線を意識した処置だと思われます。
まったくマロニエ君の想像ですが、この言葉通りならば、新シリーズは明確な進化を遂げているのだろうという気がします。というのも、一昨年のショパンコンクールのSK-EXでは、あきらかに従来の同型とは一線を画した明るく甘い音色でしたので、この頃から試験的にそういう方向のピアノ作りを密かに進めていたものと思われます。
かつての巨人vs阪神ではありませんが、これでヤマハvsカワイの上級ピアノバトルもいよいよ佳境を迎える時期に来たということのようで、こうでなくっちゃ面白くありません。
おそらくカワイのほうがコストパフォーマンスでは圧倒的に上を行くわけでしょうから、どこまでCF4とCF6のクラスに対して半分の価格で追いまくるのか、楽しみです。
ただし、あんまりよくなると現行のSKシリーズのユーザーは心穏やかではないでしょうが、まあそれは仕方ないでしょうし、マロニエ君もどっちみち自分は関係ないので専ら気楽に高見の見物です。