発火

最近はマッチを使うなんてことはほとんどない時代になりました。
もはやマッチそのものがないという家庭も多いことだろうと思います。

ところが、へんな言い方ですがマロニエ君はこのマッチというのが嫌いじゃないんです。
というよりも、あのカチッと音のする100円ライターの感触が嫌いだし、ましてや昨年の夏でしたか、規制がかかっていらいますます固くて指に負担がかかり、ちょっと使う気にもなれません。
ちなみにマロニエ君はタバコは吸いませんからこれに使うわけではないのですが…。

ごく平均的日本人と同様で、我が家には宗教心といえるようなものはありませんが、それでもいちおう先祖の仏壇がありますから、ごくごく習慣的にこれを毎朝お線香を立てて拝む真似事のようなことだけはやっています。

そんなことで、マッチを使う機会というのは我が家に限っていえば、まだ少し残っていて、いまだに使っています。

さて、そんなマッチですが、先日びっくりすることがおこりました。
箱から一本取り出して、先に箱を閉めようとした瞬間、どうやらマッチ棒先端の火薬が箱の脇に接触したらしく、いきなりマロニエ君の指の中で着火してしまって、ワッと激しい炎があがりましたが、それはたかだかマッチ一本とは思えないようなものすごい爆発的とでもいいたいような迫力でした。
反射的にそのマッチを放り出してしまいましたが、お陰で左手の中指の右側にほんの小さな火傷をしてしまいました。

自分でもゾッとしたのは、着火した瞬間の強くて勢いのある火力だったせいか、その刹那プーンと鼻についた臭いは、まぎれもなく「肉」の焼ける臭いで、しかもそれが自分の体から発したものだと思うとゾッとしてしまいました。

マッチはどうかすると何度擦ってもなかなか火がつかないこともあるかと思うと、こんなにも思いがけず、ちょっと先が触れただけで轟然と火がつくというのは恐ろしいもので、たかが一本のマッチといえども油断は禁物だということを痛感させられた次第でした。

幸いにも火傷はごくわずかで、今の季節は水道をひねるととびっきりの冷水が出ますから、これで十二分に冷やしたあと、薬を塗って一晩寝たら、翌日はもうかなり治まり、いまではまったく気にならないまでになりましたが、みなさんも火の取扱いには、いまさらですが注意深くされてください。
牙をむいたら恐いです!

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