今どき営業マン

先々週の祝日のことですが、ふと思い出しましたので書いています。
このところ友人の車購入の協力をしていることは以前書きましたが、該当する車が北九州のある輸入車ディーラーの中古車在庫としてあることがわかり見に行ってみようということになりました。

事前にディーラーに電話したところ、間違いなく車はあるという確認がとれましたので、福岡から見に行くことを伝えて、電話に出た営業マンの名前を聞き、時間の約束をした上で北九州を目指しました。

ちなみに北九州のその店は福岡からは70キロほどで、高速を利用してもトータルで1時間半ぐらいかかります。

ディーラーに到着すると、すかさず女性従業員がこっちに近づいてきて、満面の笑顔で「いらっしゃいませ」と言ってきます。電話に出た営業マンの名を告げてショールームで待っていると、ほどなくして若いお兄さんが現れて、型通りの挨拶をして、名刺を差し出します。
なんとなく、自信の無さそうな視点の定まらないお兄さんが、習った通りのことを一生懸命やっている感じで、いま思えばこの時点から少し不安感はありました。

その彼によると、車は別の展示場のほうに置いているため、そちらへご案内しますので少しお待ちくださいといわれ、ほどなくして準備されたお店の車に乗り込みました。
約5分ほどとのことですが、これが思った以上に遠いのにまず驚きました。

ようやく目指す展示場に着いたものの、ちょっと見渡した限りでは目指す車は見あたりませんでしたので、この時点でさらに違和感が募りはじめていました。
その営業マンは車を降りるなり、首をあっち伸ばしこっち伸ばしして車を探しているようですが、どこにもそれらしき車はなく、必死に手許の資料を黙々と繰っていますが、こっちにはほとんど配慮らしき言葉もありません。
だいいち、この段階で車を探すということ自体が驚きです。

ときどき「あれ…」といったようなつぶやきだけが聞こえますが、もうお客さんへの対処はなど、彼の頭の中ではまったく吹っ飛んでいるようでした。
そのうちこのセンターの女性スタッフに声をかけてしきりに話をしていますが、これといった答えはでないようで、信じがたいことにその女性と二人してクルマ探しが始まりました。
その間、我々は寒風吹きすさぶ中を広い戸外にほったらかしにされ、これではたまらないので、とうとう事務所のようなところへ自ら避難しましたが、その営業マンはどうしていいかわからないようで、それを見ているこっちのほうが情けない気になりました。

それから10分ほどして、結果的に車はさらに別の場所にあるにはあったものの、そこは単なる保管エリアのようなところで、まわりは他の車にギチギチに挟まれていて、さらには分厚いホコリを被ったままで、とてもお客さんに見せるというようなシロモノではありませんでした。

普通なら電話して来意を伝えておけば、安いものでもないのですから、車を見やすいようにちょっと表に出すとか、簡単な水洗いをするぐらいのことは当たり前ですが、ごく基本的なことがこれほどまったくできていないのは唖然とするばかりでした。
エンジンすらかけようともせず、ただ車の脇で直立しているのみ。これでは我々も、車をまともに見てみる気も喪失してしまい、気分は一気にしらけて早々に退散することになったのは言うまでもありません。
これが正規ディーラーの看板を揚げている店の対応なのですから、もう笑うしかありません。

あんまりだと思って、少しだけおだやかに思うところを伝えましたが、「申し訳ございません…」をロボットのように繰り返すだけで、まるでそれ以外の言葉を知らないようでした。帰りの車の中でもまったくの無言で、こういう人が車を売るような接客の仕事に就くこと自体が間違いのような気がしました。
おそらく本人は何が悪かったのかさえもわからないのでしょうが、こういうタイプはこのお兄さんに限ったことではなく、けっこう沢山いるような気がします。

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