高速道路で

先日、ここ最近ではめずらしく高速道路を長距離走りました。
広島までの日帰り往復で、どうしても車の必要があったので新幹線というわけにはいきませんでしたが、ひさびさの片道300キロ、往復600キロはけっこう骨身にこたえました。

昔はそれなりにやれていたことで、東京ー福岡を車で一気に走破なんてこともときどきやっていましたが、最近は歳のせいももちろんあるでしょうし、なにしろこういうことは心身共に慣れていないとダメですね。

久しぶりだと緊張と眠気のバランス取りがうまくいかずに、さすがにぐったりきました。
よく若いお父さんが子供の運動会に参加して、まだまだやれるつもりでいきなり走ったのはいいけれど、日ごろの運動不足から転んだり足がもつれたりということがよくあると聞きますが、似たようなものでしょうか。

早朝に出発して、昼前後に広島市内で用件を済ませて、ついでなのでちょっとピアノ屋さんに寄ってから帰途につきましたが、延々と走って来た道をまた引き返すというのがどうにも性に合わず、うんざりしてしまいます。
これがさらに関西にでも向けて走っていくのならまた気分も違うかもしれません。

それにしても印象的だったのは、以前に較べて高速を走る車の全体的な速度もわりに落ち着いていて、穏やかに淡々と走っている車が圧倒的多数でした。土曜だったせいか、あるいは流通業界も不況なのか、以前なら高速はトラック専用道路か?とでもいいたくなるほどの大型トラックも数が少なくて、ドライブそのものはわりに快適に過ごすことができました。

中国自動車道では、今年のいつだったか、福岡のフェラーリ愛好家達が集団で大事故を起こしたと思われる箇所も通過しましたが、下関から西のルートは高速道路にもかかわらずカーブと勾配の変化がかなり続くので、雨上がりの早朝にこういう場所であんな大パワーのスポーツカーがフルスロットルを与えながら疾走していれば、アクシデントが起こるであろうことはじゅうぶん想像できました。
とくに仲間同士で走ると、いよいよテンションは上がるのが人間でしょうから恐いですね。

恐いといえば、帰りの九州自動車道で、ものすごい女性ドライバーがいて驚きました。
土曜の夕方ともなると、福岡が近づくにつれ交通量も俄然増えてきて、とりわけ若宮ー古賀インター間はトリッキーな下りカーブが続く箇所で、ここはいつも通るたびに運転も慎重になるルートです。このときは車が多くて追い越し車線も前後ずらりと連なって100km/h前後ぐらいで流れていましたが、突如赤い普通のコンパクトカーがマロニエ君の後ろにビタッとくっつきました。
しかも充分な車間距離をとらずにいよいよ近づいてくるので、なんだこれは?と思ってバックミラーを見ると、それは若い小柄な女性が一人で運転している車でした。
それでも前に行こうとする気迫のほうが勝っているらしく、ときおりバックミラーに写るその女性の表情までわかるぐらいまでピッタリと後ろについています。

さらにはイライラしているのか小刻みに車が左右にも揺れていて、これはちょっと…まともな走り方とは思えませんでしたので、早く走行車線に逃げ込みたいところでしたが、走行車線も前後車がつながっていてなかなか左に寄る余地がありません。
そのうち隙間を見つけてどうにか左によけると、その赤い車の女性はすかさず加速して、さらに次の車のうしろに同じように張り付きましたが、そのうち左右どちらの車線も関係なしに、とにかくちょっとでも早いほうへジグザグに車線変更しては周りの車を煽るだけ煽って、とうとう視界から消え去っていきました。

相当危険率の高い運転で、ましてや高速道路ですから見ているだけでヒヤヒヤもので、いま事故が起これば確実にこちらにもとばっちりを被るという状況でしたから、その赤い車がいなくなってホッとさせられましたが、あんな無謀極まる車の巻き添えになったらたまったもんじゃありません。
それにしても凄い女性ドライバーがいるもんだと思い知らされました。

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