予期せぬ進歩

我が家のガレージで使っているホースとリールのセットは、もうかれこれ20年以上前のもので、ほとんど骨董の領域に到達しているようなものですが、ただ水を撒いたり洗車をしたりするのに不都合がないので、ずっとこれを使い続けてきたところでした。

ところがこの一年ぐらいでしょうか、リールへの繋ぎの部分とか、あちこちから僅かですが水漏れを起こすようになりました。漏れ自体はわずかでもリールの角度によってはこちらに小さな水流が向かってくることもあり、いつもその方角をあっちへ向けながら使っていましたが、だんだんと漏れが悪化してきたのを見かねて、ついに(というほどのものでもないのですが)これを買い換えることにしました。

ホームセンターにいくと数種類おいていましたが、単なるホースなのでとくにこれといって性能を求めるわけでもなく、一番安い20mのセットでじゅうぶんだと判断して買うことにしました。
本当はホースとリールだけのセットでいいのですが、今どきはどれもシャワーとかジェットなどの水流が換えられるガンタイプの蛇口がついているようで、本来これは要らないと思ったのですが、セットで値段も安いし購入しました。

さっそく古いホースのセットを長年ぶりに外して新しいものを取りつけましたが、たかだかホースでも、新しいものは気持ちがいいもんだと思いながら取り付け作業を行いました。

切り替え式のシャワーがあまり好きではないのは、ずいぶん昔に庭のホースでこれを付けたところ、ホースやリールのつなぎ目のあちこちから、高い水圧に負けて糸状の水漏れが発生し、かえってあたりはびちゃびちゃになってしまったり、一年もすると蛇口そのものが壊れてしまうなど、まったくいい印象がなかったので、ガレージでもこの手の蛇口は使わないでいたわけです。

ところが、取り付けが終わっていざ水道を捻ってみると、新しいせいもあるのかもしれませんが、むかし経験したたぐいの水漏れなどはまったくその気配すらなく、至ってスムーズで当たり前のようにスイスイ使えることが判明しました。
しかも、シャワー/霧/ジェット/拡散という4つのパターンのどれもがむらなくきれいに噴射されるところも、そのいかにも鮮やかな様子につい驚いてしまいました。

さらに感心したのは、従来のホースよりも直径がほんの僅かに細くなっていて、水道の蛇口を捻る量もこれまでとは比較にならないほど少量で済むことでした。
要するにこんなホースひとつとっても知らぬ間に技術が進歩し、初歩的な水漏れなどが克服されるなどの品質の向上と、さらには水量の省エネ設計が徹底しているのだということがわかりました。

ジェットに至ってはほんの僅かの水量でも、なにかを突き刺してしまいそうな勢いで、まるで武器のように鋭い一直線の水が躊躇なく飛び出してくるのにはびっくりです。
この悪天候なのでまさか洗車をするわけにもいきませんが、ともかくさっそく何かで試してみたくなり、ガレージ用のサイクロンクリーナーの中のフィルターやスポンジを、どーだ!とばかりに洗ってやりました。

とりわけ蛇腹状のフィルターに詰まっていたネズミ色のホコリの堆積物は、あっという間に吹っ飛ばされて、久しぶりにほんらいの清潔な状態に戻ることができたようです。

旧来のものがなつかしく思われることも少なくないこのごろですが、こういう道具などの分野は本当に新しいものは良くなっていて、しかも値段も安いとくれば、ただただありがたいばかりです。
すっかり感心して、別の場所にももうひとセット買いたくなりました。

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