省エネ運転についてマロニエ君の経験から…。
これでも人並みに省エネ運転にはいろいろ挑戦してはみましたが、結果を言うと現実的にはかなり効果が薄いと言わざるを得ないのが率直なところです。
例えば燃費を良くするためには、アクセルを少し踏んでソロソロと加速するということが巷間いわれますが、これもよほど効果的にやらないと、街中などでは逆にいつもアクセルを踏んだ状態が長引いて、常に小さな加速をしているという時間ばかりが増えてしまいます。
加速をするということは、巡行時よりもエンジンのより強いパワーを必要とするので、このときにガソリンを多く使うのはたしかにその通りでしょう。しかし、アクセルの踏みしろばかりを浅くすると、例えば静止状態から時速50キロまで到達するのにもより時間がかかります。
こういう運転ばかりしていると、よほどの田舎道等ならいいでしょうけど、ゴー&ストップの連続である市街地などでは車はいつでも絶えず加速している状態で、これじゃあ一向に燃費が良くなるとは思えません。
そこで燃費などまったく気にせずに、ごく普通に運転して、発進時にはアクセルも普通に踏んでみると、当たり前ですがサッと加速するから、あとはほとんどアクセルは踏むか踏まないかの巡行状態に入ります。このサッと加速してあとは一定速度に入るというのも、決して燃費が悪いわけではなく、結局省エネ運転をしてみたときとほとんど燃費に変化らしい変化はあらわれませんでした。
これは例えば一部の軽自動車などが、小さなエンジンに対して重く大きなボディを背負いすぎて、エンジンはいつも休みなく過大に働かされて、結果として期待とは程遠い消費燃料を要するということと同じような理屈だろうと思います。
やはり本当の省エネ運転というのは、エンジンの出力やトルクカーブをなどの科学的根拠に基づいた上で、その車の性能に合わせて、最も合理的・効率的な運転をしたときに効果が出るのであって、素人がただケチケチ気分で省エネ運転をやってみても、実際にはほとんど効果らしい効果はないとマロニエ君は自分の体験からみています。
また、マロニエ君の友人には大学の先生で毎日のように遠方の数箇所の学校へと東奔西走しているロングツアラーがいますが、彼はいわゆる省エネとは真逆の運転であるのに、その燃費は意外にもいいのです。聞いてみると高速でも一般道でも、アクセルを踏むときは大抵ガンガン踏んでいるといいまますが、それでなんと下手な省エネ運転よりよほどいいぐらいの燃費を叩き出しているのですから、現実というのはえてしてこんなものだということです。
要は省エネといっても、ただアクセルをちびちび踏むことだけではない、合理的な速度や無駄のないメリハリのあるアクセルワークによる運転をすることが最も現実的で、それこそが理にかなっている気がします。
それに、あまり省エネ運転を意識的にやっていると、たいした効果もないばかりか、人間の気分のほうがすっかり覇気がなくなり、消極的で後ろ向きなしみったれた吝嗇家のようになり、それでは社会の生産性も上がらず、ひいては景気も回復しないという気がするのですが。