タワーレコードが

ある意味で最も恐れていたことのひとつが穏やかながら起こりました。

天神のCDショップの中心的存在であったタワーレコードが10日ほど閉店して改装中とありましたので、単純にリニューアルしているものとばかり思っていたところ、再開して店内に入ってみるとほとんど何も変わっていないことに「おやっ」と思いました。
クラシックの売り場は最上階の5階ですので、いつものように3階からエスカレーターに乗って上階に向かったところ、なんと4階から上のエスカレーターは止まっていて、乗り口に小さなロープが張られており、「これより先は関係者以外はご遠慮云々」の札が立っていました。

そうです、主にジャズとクラシックの売り場だった5階は無くなったということをこのとき察知しました。
そこですぐに思ったのが、売り場の統合で、4階売り場を見渡してみると、向こうの奥まったところに「CLASSICAL」の文字がかろうじて見えました。「ああ、やはり…」と思いつつ、すぐにそっちへ行きましたが、果たしてずいぶん狭苦しい感じになって、クラシックというジャンルそのものはかろうじて残ってはいたものの、これまでのような広々した売り場と落ち着いた雰囲気は見事になくなってしまったのです。

棚の高さは以前よりもいくぶん高めのものになり、品揃え自体は極端に減らされたという印象ではありませんでしたが、これまでのゆったりとした売り場は召し上げられて、階下で他のジャンルとルームシェアさせられてしまったという印象は拭えません。

たしかに平日などはいつ行ってもがらんとしており、これだけの天神の一等地でそれに見合った収益をあげているようには思えなかったことは事実でしたし、いつの日か悪い方へと状況が変わるのでは?という思いは頭のどこかにあったので、まあ考えようによっては店そのもの、あるいはクラシックというジャンルじたいが撤退してしまわなかったことを良しとしなくてはいけないのかもしれません。

それはわかっているのですが、先日はさすがにいきなりだったもので、失望感のほうが大きく、ちょっとCD散策してみようかというような気分がすっかり失われてしまって、とりあえずは詳しくは見ないまま踵を返しました。
ちかいうちに再度行ってみて、気持ちを切り替えて詳しく見てみることになりますが、たしかにこれだけネットが発達して、音楽ビジネス自体も曲のダウンロードなど、CDという商品を購入すること自体も少なくなっているそうですし、わけてもクラシックなどはすっかり少数派になってしまっていますから、経営側にしてみればやむなき判断だったのだと思われます。

単純な話、これまでは3つのフロアでやっていた商売を、2つのフロアに圧縮してしまったというわけですが、たしかにあの広さの賃貸料だけでもたいへんなものだったと思われます。

以前は、天神には他にもHMVや山野楽器はじめいくつものCD店があちこちにあって、さて今日はどれに行こうかな?なんていう余裕に満ちた感覚だったものですが、いま思えば遠いむかしの夢のような時代だったということのようです。

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