新SKシリーズなど

いつかそのうちに機会があればと思っていたのですが、新しいシゲルカワイ(SKシリーズ)に触れるチャンスは意外にも早く訪れました。

知人が自宅のピアノの買い換えを検討していて、SKシリーズも見ておこうということからカワイのショールームに行くことになり、新しいSK-2、SK-3、SK-5、さらには貸し出し用のSK-EXにも触れることが出来ました。

新シリーズで印象的だったのは、これまで通りのしっとり感にあふれたタッチに加えて、コントロールの自由度が増していたこと、あるいは音色にもある種の鮮明さが加わったことで、この新しいSKシリーズはどれを選んでも後悔することのないプレミアムシリーズとして、より深い輝きを増していると感じました。

タッチは、ただ単にしっとりというのではなく、軽快さと滑らかさが両立したもので、奏者のわずかな意志もすかさず捉えて反応してくる感触がとりわけ印象的で、風がそよぐようなショパンの旋律から、まったくのノーペダルで奏するバッハまで、幅広い要求に対して、ストレスなく敏感に対処できるピアノになっており感銘を受けました。

タッチと並んで印象的だったのは、次高音部がよりメロディアスになり、隣り合う音同士が切れ目なく繋がっていくようで、まさに歌心が一段とアップしている点も驚きでした。

新しい3機種には、SKシリーズ特有のほの暗い音色の中に、これまでになかった澄んだ輝きのようなものが出てきて、やはり熟成を増したのは間違いないようです。
中途半端な高級ピアノを買うぐらいなら、いっそ割り切って(というのも語弊がありますが)SKシリーズにしたほうがどれだけ賢い選択だかわかりませんし、そのほうが後悔はしないだろうと思います。

SK-EXはマロニエ君的には、まったくの開発途上にあるピアノだと思いました。
全体にやわらかい音色と穏やかな響きをもつピアノでしたが、ステージで聴衆のために鳴り響くコンサートグランドとしては、どうみてもブリリアンスと表現の幅が不足しており、あくまでも個人的な印象ですが、これなら出来の良い従来型のEXのほうがまだ好ましいと思わざるを得ませんでした。
やはりコンサートグランドというのは求める要求があまりに高すぎて、製作も難しい機種なのかもしれません。

従来型にくらべて、よほどパワーアップされているものと思っていたら、この点も肩すかしをくらうほど控え目で、もしもスタインウェイのような遠鳴りの能力を秘めているのだとしたらともかく、少なくとも間近で弾いたり聴いたりする限りに於いては、ただやさしい性格の大型犬みたいで、一向にキレも迫りもないのはまったく意外でした。

いつもなにかとお世話になり、マロニエ君宅にもしばしば来てくださる営業の方によると、来月は天神で新しいSKシリーズのお披露目会というかレセプションが行われるらしく、これにご招待してくださるそうなので、ぜひとも行ってみるつもりです。
もし開発者の説明など聞けるのであれば楽しみです。

新SKシリーズなど」への1件のフィードバック

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    初めまして!大阪府在住のピアノ好きです。ピアノ記事興味深く拝読させて頂いております。自宅でSK-6Bを使っております。新しいSKって凄いんですね~!(◎_◎;)カワイが進化するのは嬉しい事ですが車のように買い替えるわけにもいかず複雑な心境です(笑)
    購入時もヤマハS6Bと悩みカワイを購入した訳ですがどちらが良かったのかは未だに分からずで…ピアノ選びはお金と場所の制約の中で行うので本当に難しく思います?デザインや仕上げ、楽譜立ての構造はヤマハの方が好みなんですが…これからもピアノ記事を楽しみにしております?

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