ららら♪クラシック

日曜夜のN響アワーの後継番組とでもいうべき「ららら♪クラシック」。
先日の放送ではピアノが特集され、テーマは「もっと自由にピアノ」というもので、ショパンの名曲が主役ということになっていました。

メインゲストは小曽根真さんで、はじめに加羽沢美濃さんとの2台のピアノによる「ららら♪流ショパン」というアレンジ&即興ものでスタートしました。

小曽根真さんはこのところクラシックの領域にも関心を広げているということらしく、このあとでもop.17のマズルカをジャズ風にアレンジしたものが演奏されましたが、マロニエ君は実をいうとこの手合いがどうももうひとつ馴染めません。
ジャズピアノそのものはとても好きだし本当に素晴らしいと思うのですが(詳しくはありませんが)、クラシックの曲を素材にしてジャズ流にアレンジするというのが、たぶん自分の趣味には合わないのだと思います。
小曽根さんもたどたどしくクラシックのことをしゃべるよりは、やっぱり手の内に入った本職のジャズのことを語っている話こそ聞いてみたいと思いました。

ちなみにドミンゴやカレーラスが、ポピュラーソングなんかを胸を張りだしてアリアのように単調に歌うのも、なんかしっくりこないものを感じますし、それらはやはり本家本流の人がふさわしく歌ったほうが表現力も勝り、よほど素晴らしいと感じることと、これはどこかで通じているような気も…。

このようなジャンルを跨いだパフォーマンスを、いまどきはコラボとかなんとか、いろんな言葉で表現するようで、とりわけジャズには昔からある流儀のようですけれど。
おもしろいといえばそうなんですが、ショパンなどはやっぱりオリジナルで聞きたいという気分のほうがどうしてもまさってしまいますし、個人的には棲み分けのキチッとされた安定した世界のほうが自分は好きだなあと思いました。もちろん例外はありますけど。

そのオリジナルでは、なんと昨春若くして亡くなったタチアナ・シェバノワ女史の晩年の映像が出てきたことにも驚きましたし、15歳で初来日した折の天才少年キーシンの映像も実になつかしく思い出しながら見ることができました。
百合の花のような危うい気配を漂わせた痩身の美少年が、ときに顔を紅潮させながらショパンをまるで自分自身のことのように弾くむかしの姿を久しぶりに見ることができました。後半の協奏曲は昨年40歳の映像で、いやあ、どっぷりと肉も付いて貫禄じゅうぶん、初来日のときの2倍はあろうかという印象でしたね。

片やスタジオでは、古いスタインウェイのアクションを取り出して、その複雑な機械部分の大まかな様子や、キーに与えられた力がさまざまなからくりを経てハンマーの動きに変換される様子などが紹介され、この部分ひとつとってもピアノがいかに他の楽器とは違った精密機械の側面を持っているかということが、ごく簡単ではありましたが映像と共に説明されたのは実に珍しいことでした。

印象的だったのは、冒頭の2台ピアノによる即興演奏のときに映し出された上から撮影されたピアノ内部の映像で、互い違いに置かれた2台のCFXのフレームやボディなどから発してくる作りの美しさには目を見張るものがあり、音の好みなどはさておくとしても、このヤマハの最新鋭モデルの製品としてのクオリティの高さ、いかにも日本製品らしいその水も漏らさぬ高品質と眩しいまでの輝きには思わず唸りました。

ららら♪クラシック」への2件のフィードバック

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    CFXの音ですが調整かミキサーで触っているせいか分かりませんでしたが何かクラビノーバのように明るいけど電子ピアノのように聴こえませんでしたか?

  2. SECRET: 0
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    キーシンは確かに。石田さんと美濃さんはプロフィールが逆の方がしっくりくるかな?

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