日曜剪定

夏を前にして、植木の剪定を頼まなくてはと思っていたところ、友人が「おもしろそうだから切ってやる」と言い出したことがきっかけで、まずは自分達でやってみることになりました。

平凡な植木ですが、それでも年月と共にだんだん大木然とした風体になり、せっかく刈り込みをしていても、一年も経つと枝葉はすっかり伸びて生い茂り、気がついたときにはかなり暑苦しい状態になってしまいます。
植物の生命力、とりわけ春先の樹木の繁茂は目を見張るものがあり、日ごとに確実に日陰の量を増大させてくるのは脅威的ですらあります。植物の成長には目に見える動きもなければ、むろん音もなく、それでいて全体が同時進行的に生きているので、そのぶんのえもいわれぬ不気味さを感じます。

…しかしものは考えようで、震災以降は深刻な節電が叫ばれるご時世となり、去年あたりからでしょうか「緑のカーテン」などという言葉を良く耳にするようになったので、今年は枝葉が伸びることを逆手にとって、少しでも暑さしのぎになればとやや前向きに考えるようにもなりました。

とは云っても、本格的な夏になれば、多少の木陰があろうがなかろうが、暑いことには変わりはないでしょうが、それでも直射日光に焼かれ続けるよりは僅かな違いはある筈で、気休め程度にはなるのかもしれません。
とはいえ放っておいたらとんでもないことになるのはわかっているので、やっぱり少しは手を入れないとこのまま伸び放題に委せるわけにもいきません。

マロニエ君は自慢じゃありませんが、まるでアウトドア派じゃないし、土いじりも植木いじりもべつに好きではないので、剪定が楽しいなどという意識は皆無なのですが、それでも最低限やらざるを得ないものは仕方がありません。本来なら本職に委ねるべきところですが、幸い友人が酔狂なことを言ってくれるので運動を兼ねて遊び半分にやってみることになりました。

友人が木に登ることを前提に、命綱なんぞというものを持ってきたのには一驚しましたが、万一のことがあったら取り返しがつかないし責任が取れないので、そんなものが必要なところへ登るのは絶対にないように言い含めて、手近にできるところから植木屋の真似事のようなことを始めました。

我が家には電動ノコギリの類は恐いのでひとつもなく、折り畳み式のノコギリと剪定用の大きな鋏で不要な枝葉を切り落とすなどしましたが、これが意外にもスイスイと良く切れるのは感心します。

日曜はとりあえず2回目の作業となり、のべ数4、5時間の作業でだいぶ見た感じはスッキリしましたが、あと1回は来てもらわなくてはならないようです。
それはいいとしても、あちこちの木の下には切り落とされた枝や葉が山のように積み上げられて、さてこれをどう処分するかが目下の課題です。
これまでの経験では、植木屋に頼んでも支払う金額の過半を占めるのは切った枝葉の処理に要する費用だと云っていましたし、今どきはこれを焚き火にして灰にしてしまうこともできません。

いろんなことが窮屈な時代になったものですが、ともかくいい運動になりました。

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