少し前にこのホームページの「マロニエ君の部屋」にタイムドメインのYoshii9というスピーカーの事を書きましたが、さすがにすぐに購入という価格でもないので、ひとまず小型で安い、同社の「light」というスピーカーを買い求めました。
マロニエ君の自宅には、普通のステレオ装置はあるものの、夜間など落ち着いて音楽を聴く時間の大半は自室のほうで、そこでは小型のヤマハのCDコンポを使っています。
とくに自慢するような高級機ではありませんが、まったくの安物でもなく、オーディオに興味のないマロニエ君にとっては狭い自室で聴くにはこれで充分だと(今でも)思っています。
しかしYoshii9の純粋でやわらかな美音を耳にしてからというもの、少しでもその手の音に触れてみたいという気持ちがあるのも事実で、それがlightではあまりに格が違うとは思いつつも、ものは試しという気分も手伝って購入にいたりました。
タイムドメインのスピーカーに詳しい調律師さんの談によると、同社のスピーカーを楽しむにはCDのプレーヤーなどは安い簡素なものでいい(というか、安物のほうがいい)とのことなので、量販店に行って3千円もしない中国製のポータブルプレーヤーを買ってきて、さっそくこれに繋げました。
lightは全体が白で形も可愛らしく、どことなくアップルの製品のような品のよさと存在感があります。
スピーカーコーンそのものの直径は4cmにも満たない超ミニサイズで、箱から取り出した感じでは、ほんとうにこんなもので聞くに堪える音が出るものだろうかと思ってしまうほどですが、果たしてそこからなんとも可憐な美音がでてくるところが不思議です。
さすがにヤマハのCDコンポに較べるとパワーはなく、ボリュームを大きくするとたちまち音が割れてしまうところなどが残念ですが、このスピーカーに無理のない、やや絞った音で聴いてみると、Yoshii9に通じる(気がするような)音が立体的に立ち現れるのはさすがです。
とりわけ良い意味での生の音がして、演奏者がドラえもんのライトで10分の1ぐらいに縮小されて、近くで演奏しているような気分が味わえるのはこのスピーカーの一番の魅力だろうと思います。
このスピーカーにはアンプも内蔵されているので、なんにでも繋げて手軽に楽しめるのはなかなか便利で、いろいろな可能性があるように思います。
便利なのはいいのですが、マロニエ君には困ったことも起こりました。
当然パソコンに繋ぐこともできるわけで、そうするとiTunesの音源はもちろん、広大な海のごときYouTubeをこのタイムドメインのスピーカーで聴けるようになったのは甚だ困りました。
それからというもの、ひとたび見始めると際限のないYouTubeの魅力が倍増し、真夜中に、たちまち2〜3時間が過ぎ去ってしまうのは新たな悩みの種になりました。
アル中の人が悪いとわかっていながら、あと一杯…あと一杯…と繰り返すように、もう一曲…もう一曲…と深みにはまってしまい、本当に止めてトイレに立とうとすると身体がまるで硬直していて、あちこちの骨がきしむような目に何度も遭いました。
さすがにこれはまずいと思い、できるだけ自重して、これまで通りにコンポでCDを聴くなどしていますが、休日前の夜などはつい誘惑に駆られて始めてしまうと、やはりどんなに短くても2時間はパソコンの前にまんじりともせずに身体を固定することになり、これはどう考えても不健康だと思わずにはいられません。
美しい音が心を慰めるのか、はたまた健康を害するのか、目下わからなくなっている状態です。