湿度計の針

昨日はいつにも増して暑苦しい、ムシムシした不快な一日でした。

もともとピアノの為以前に、自分自身が温湿度にめっぽう弱いマロニエ君ですが、今年の厳しい梅雨のお陰で、自分自身が歩く湿度計になったように湿気を肌で感じるようになりました。

部屋に入るなり、現在の湿度がどれくらいか、およその見当がつくようになり、湿度計で確かめるとそれほど外れてもいません。

この蒸し暑いのに用事があって、夕刻天神に出たのですが、その不快感ときたら、最近よく耳にする言葉でいうなら「これまでに経験したことのないような」ものでした。
とりわけ猛烈だったのは湿度の高さで、小雨が降ったり止んだりと、こういうお天気は一定した雨天よりもよほどムシムシするところへ、人の往来で混み合う天神の雑踏の熱気とコンクリートの風通しの悪さが加わると、そこはまったく熱帯ジャングルのようでした。

むしろ外のほうがいくらかまだマシなぐらいで、天神のあちらこちらでは時節柄、節電も実施されているようで、その環境の厳しさは自分の体がおかしくなったのか…と思うほどでした。
場所やエリアによってはエアコンの効いているところと、そうでない部分とが入り交じってまだら状態になっており、ただ歩いているだけでも身体の調節機能もぐらぐらに狂ってしまいそうでした。

早めに用事を済ませてなんとか車に戻り、エンジンをかけると天国のようで、ようやく生き返りました。

帰宅して、ものは試しにピアノの上にある湿度計を外に出してみると、5分もしないうちにたちまち70%を突破しました。
普段そんなところを指したことのない我が家の湿度計に、急激にそんな環境の変化をあたえて壊れてしまわないかという気がしてきて心配になり、早々に屋内へ戻しました。
すると、部屋に戻るなり、湿度計の針はみるみる下がってもとの定位置へ戻ろうとします。

湿度計の反応はよほど遅いものと思い込んでいたところ、状況次第ではこんなにも動きが早いとは予想もしなかったことで、その針の動くのを肉眼で見たのは生まれて初めてのことでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です