IKEA続編

せっかく決死の思いで行ったイケアでしたが、べつに取り急いで買いたいものとてなく、だからといって手ぶらで帰るのもつまらないので、LEDライトで取り付け部分がクリップ状になっている小型の電気スタンドを買いました。

クリップを譜面立てに挟んで、楽譜を見るための照明にしようという目論見です。
ところが使ってみると、照射範囲があまりに小さく、とても楽譜全体を明るく照らすことはできないことが判明。加えて位置や角度を自由に変えるための細い蛇腹のようになった棒状の部分が、狙った通りの位置に止めるのが難儀で、すぐに動いたりくだけ曲がったりして、なかなか思ったようになりません。

少なくともマロニエ君の用途にはまったく不向きであったのはがっかりでした。しかしよく考えると、店内に「気が変わっても大丈夫。90日以内なら返品が」できるようなことが大書してあったことを思い出しました。

しかしです、そのためにはまたあそこまではるばる行かなくてはなりませんから、マロニエ君としてはあまり積極性はなかったのですが、友人が「使わないならもったいないから、行こう!」というので、またしても行くことになりました。
考えてみれば往復のガソリンと時間、そしてなによりそのハードな労力を考えると、引き合わない気もしましたが、他に良いスタンドがあれば交換してもいいという考えが少しあったのも事実。

再び到着し、店に入ると、また例のシステムずくめの世界に突入するわけで、返品・交換のための手続きをどうするのかも、しばし探らなくてはなりません。
やがてわかったことは、入口から見て広大なフロアの一番奥にその手続きカウンターがあること。そこまで行くのがまた遠いので思わずため息が出ます。

3つあるカウンターのうち、ちょうど手の空いている女性に返品のことを告げようとするや、冷ややかに「番号札を取ってお待ちください!」と制されて、あたりを見回すと、側の柱に番号札の発券機がちょこんとあって、それを取って待つことになります。
とくにここは行列というわけでもなく、2組ぐらいのお客さんが返品の手続きをしているようですが、店側の対応におそろしく時間を要し、何かというと2、3人の若い店員が集まってヒソヒソ相談しています。きっと処理の方法を確認し合っているのだろうと思いますが、あとは延々とパソコン画面を見つめてしきりになにかやっているようですが、とにかくそれが遅々として捗らない。
この状態が30分以上も続き、これだけで気分は下がりまくってしまいます。

こちらの手続きを完了させてこの場を離れるまでに、軽く40分以上が経過したことは間違いなく、なんのためにこんなことをやっているのかという気にもなります。
それでも、せっかくここまで来ているわけだし、適当な照明器具はないかと疲れた気分に抗って、ほとんどやけくそ気味に売り場を見てみましたが、結果としてこれというものはありませんでした。

前回同様クタクタになり、ちょっと飲み物か軽食でもという気分でしたが、レジの近くにある飲食コーナーは、セルフサービスはまあ当然だとしても、なんと!すべて「立ったまま飲み食い」しなくてはならず、そんな厳しい場所は御免被りました。
こんな空港みたいに広い売り場をさんざん歩きまわらせたあげくのお客さんを、ちょっとのあいだ座らせようかという考えもないところに、日本とは完全に異なる、異国の感性と思考回路をまざまざと見せつけられたようでした。

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