カミナリとテレビ

このところ、晴れていたお天気が急変して、猛烈な雷雨に見舞われることが何度も続きました。当然のように湿度も耐え難いまでに上がって、まるで熱帯地方のようです。

その日も、昼間の強い陽射しと青空がウソのように夕方から猛烈な雷雨となり、かなり長い時間、まさに荒れ狂う嵐の様相を呈しました。

ようやく外の気配もおさまった夜半のこと、突如としてリビングで使っているテレビが映らなくなり、それこそ説明書と首っ引きで1時間以上、なんとか回復させようと格闘してみたものの、まったく無駄でした。
これはもう素人の手には負えるものではないと観念し、翌日、購入した電機店に修理依頼の電話をしますが、電話口で再三にわたって念を押されたのはカミナリが原因だった場合は、天災ということで保証の対象外となることを、予めご了承くださいということでした。

その電話から待つこと10時間近く、夜になって、ようやくメーカーの修理担当者から電話があり、来宅の日時を告げられました。その際にも、故障の状況を調べた結果、落雷によるものと判断された場合は保証の対象外となる由を念を押すように言われました。
見る前から、何回もこういう承諾の言質を取られるのはあまりいい気持ちはしないものです。

こちらにしてみれば、その日の夕方カミナリが鳴ったのは確かですが、そのあとも至って普通だったこと、他の部屋のテレビはいずれもまったく正常ということから、一概に落雷の影響というのではないのかもという気もしていたわけです。テレビの電源は入るし、ビデオなどを見るぶんにはまったく差し支えがないので、案外ちょっとしたことではないか…という気もわずかにしていました。

異常発生から3日目にして、ようやく待ちかねたメーカーの人がやって来ましたが、はじめは基本的な動作確認などをくりかえしていましたが、いずれも首を捻るばかりで、しだいに細かな領域に入っていきました。
果たしてわかったことは、アンテナの端子の中央にあるべき芯線というのが何故か欠落しているということが判明。これを正しい状態に戻すとあっけなく映像が戻り、テレビはめでたく復旧しました。

部品のひとつも使用せず、出張料金などは保証部分でカバーされているようで、まったく出費もなく、事前にずいぶん脅かされたわりにはあっさりと解決してしまったのはラッキーでした。

ちなみに、あとからネットを見て驚いたことは、たとえカミナリによる故障であっても、少なくともユーザーのほうからわざわざ「カミナリで」という言葉を発するのはタブーなのだそうで、それを認めると保証適用外となって修理費を負担しなくてはならなくなるとかで、あくまでも「ただ単に故障」という事実だけでじゅうぶんなんだとか。へええ…です。

上記の電話内容も、マロニエ君が不用意にカミナリと言ったために、たちまちその方向付けをされているのだということがわかり、今回はあきらかにカミナリが原因でなかったことが幸いでしたが、こんなちょっとした発言にも注意が必要とは、なんだか気が抜けないなぁという気分です。

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