驚愕の模型

模型を作る人達のことを、俗に「モデラー」というようですが、この人達の作り出す作品の凄さには、子供のころから人一倍強い憧れを持っていたマロニエ君です。
どれほどガラスケースの外側からため息を漏らしたことか…。

マロニエ君はもっぱら完成したものを眺め尽くすのが好きなクチで、とても自分からその世界に入って、自らから挑戦してみようなどと思ったことはありませんでした。これはきっと自分の特性には合わない世界であり、たぶん無理だということを本能的に感じていたからだろうと思います。

それでも、飛行機やお城などの完成模型を欲しいと思ったことは何度あったか。でも完成模型というのはいつも「非売品」で買ったことは一度もありませんし、もし売られることがあっても、相当に高額なものになるに違いないでしょう。
いちおうはプラモデルなども相当数作りましたが、その出来はとても自分が満足できるようなものではありませんし、それでも自分の技術を高めようという思いにはついに至りませんでした。

あるとき、なにげなくネットを見ていると、「ピアノを作ろう!」というブログに行き当たりました。これまでに見たこともないフレーズで、しかも「1/10で」となっているのは、はじめは何のことやらまったく要領を得ませんでした。

さっそく見てみると、なんとその方はスタインウェイのD型(コンサートグランド)の1/10のサイズの模型を数年かけて作られたようで、その製作の過程や、完成後の動画などが見られるようになっていましたが、そのあまりにも見事な出来映えには、ただただ驚き、感銘さえ覚えました。
ディテールなどもここまでできるものかと思うほど忠実で、ぱっと見た感じは、写真の撮り方によっては本物に見えてしまう可能性が十二分にあるほど、それは抜群によくできています。

もちろんプラモデルなどではなく、すべて自分で型を取るなどされて、100%手作りによってここまで完成度の高いものが作り出せるという、その技と情熱には驚きと敬服が交錯するばかりです。
ここまで精巧なピアノの模型というのは初めて見ましたが、これまでのマロニエ君の経験では、よくできた車や飛行機の模型でさえ、ディテールの細かな形状が不正確であったり、全体のシルエットにちょっと違和感があったりと「残念」が散見されるのが普通ですが、このスタインウェイにはまったくそういったところがないのです。

なんでも一台完成させるのに5年近くを要されたとのことで、それも驚きですが、その作品は完成後まもなくさるピアニストのところへ行ってしまい、現在は2台目を制作中とのことですが、その制作過程からも窺える見事さにはまったく呆れるほかはありません。

さっそくその作者の方と連絡を取って、リンクの承諾を得ていますので、論より証拠、どうぞみなさんもその素晴らしい作品をみてください。
リンクページの一番下に『ピアノを作ろう!1/10で』というのがあります。

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