なんじゃこりゃ!

自作スピーカーの続きになりますが、製作にあたってはマロニエ君が懇意にしているピアノの知り合いの方と、材料等を互助的に共同購入しながら調達しています。

というのもマロニエ君一人では材料を揃えるだけでも、たぶん絶対に無理だったと思われ、この方がいたからこそ不慣れな挑戦もやってみる気になれたのです。
いうまでもなく、それぞれが自分のスピーカーを作るわけで、二人分の材料を同時購入するなどして、手間と情報の共有化を図るほか、送料なども合理化しているというわけです。

さて、前回書いた土台ですが、これなくしてはスピーカー本体(アルミ管)を垂直に立てることが出来ませんが、他の材料は日々揃ってきているのに、これが思うに委せないからといって、いまさら後へも引けません。

人の顔を見るたびにこの件をぼやいていたら、ある友人の情報でここに聞いてみたら?という話が舞い込み、さっそく連絡を取ってみると、いささか距離はあるものの円形カットを引き受けてくれるという職人さんが見つかりました。
次の日曜にさっそくその人のところへ行きましたが、かなり年配の方で、お見受けした感じでは昔はその道のプロだった方がリタイアされて、今はちょこちょこと簡単な木工仕事などをやっていらっしゃるという印象でした。

見取り図を見せると、至って単純なものなのですぐに理解してもらえましたが、なんでもジグソーという機械を使って手作業で切るため、コンパスで線を引いたような正確な円のカットは出来ないという話で、これは実はかなりガックリきました。
そういうことがピシッとしていないと性格的に気が済まないマロニエ君としては、内心ひどく落胆したのは事実でしたが、そうかといって他にあてもなく、すでにこの土台の件だけでも問い合わせ等相当の労力を費やしているので、もうこのあたりでそれぐらい妥協しなくてはいけないと諦め気分にもなり、ついにお願いすることになりました。

お願いしたのはいいけれど、ええ?っと思ったのは、待っている間に出来るような作業じゃないのだそうで、出来たら電話しますとアッサリ云われてしまい、往復50キロある道矩を、もう一度取りに来なくてはいけないのかと思うとウンザリしましたが、ここまできたらやるしかない!という使命感みたいなものに突き動かされて、その点もついでに呑み込んで承知し、後日取りに行くことになりました。

数日後、平日の夕方に時間を作って取りに行ったところ、なぜか作業をされたご当人は不在で、若い人から袋入りのカットされた品物をドサッと渡されて受け渡しはそれで終わり。すぐさま来た道を引き返し、いざ自宅で中のものを手に取ってみたときはびっくり仰天でした。
円のラインはガタガタで、中には木の一部が欠損していたり、大きなヒビがあってなんと明らかに割れている部分もあり、なんだこれは!と途方に暮れました。だいいち断面は無惨なほどガザガサで、普通ならお愛嬌にも軽くペーパーぐらいはかけるもんじゃないのかと思いました。
さらに驚いたのは、作業の際のものと思いますが、生木の表面に油性ボールペンで何本も線が引いてあり、とてもじゃないけどこんなものは知人には渡せないと思い、もう目の前は真っ暗。

知人には事情を説明して、その中から良いものを2つ渡し、マロニエ君は残ったものでガマンするつもりでその通りに実行しましたが、やっぱりどう考えても、見れば見るほど、これでは使う気になれす、正気なところ「ふざけるな!」と言いたかったですね。
そもそも、安いとはいえ工賃もちゃんと払って依頼した作業なんですから、文句のひとつも云って然るべきところですが、なにぶんにも相手は年配の方ではあるし、「自分は心臓が悪くて来週は検査入院する」というようなことも云われていたので、そんな方へ抗議するのも忍びず、結局は割れがあったことなどを伝えてもういちど作ってもらうことで決着しました。

その結果できたものは、前回の作業とクオリティこそ大差はありませんが、割れがないぶん良しとしなくてはいけないようです。
こういうことが重なってくると、もともとDIY人間ではないマロニエ君としては、だんだんやる気を失ってイヤになってくるのですが、すでにこの「共同プロジェクト」にはかなりの費用も投じていることでもあり、ここはなにがなんでもやり遂げるしかないようで、こういう場合にも一人だったら投げ出していたかもしれません。

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