酒、女、歌

すでに何度か書いていますが、マロニエ君の知人の経営するお店で、熱意ある店主の企画によって毎月音楽家の誕生日を祝うというイベントが試み的に行われていて、現在はまだスタイルを確立すべく試行錯誤の一環として敢行されている感じですが、ともかく今月はブラームスでした。
ここで流す音楽はマロニエ君の担当で、今回は交響曲、管弦楽曲、協奏曲、室内楽、ピアノ曲、ヴァイオリンソナタ、歌曲など、都合8枚からなるCDを準備しました。

ここでは毎回、初めてお会いするとても素敵な方がいらっしゃいますが、今回も齢70を過ぎられた男性がおられ、その方が大変な音楽ファンで、3時間の間、音楽の話でもちきりでした。
お好きというだけでなく、お詳しさも相当のもので、話はそれこそあっちへこっちへと広がるばかりでした。
それこそよくあるピアノの先生や自称音楽家などは、外面は音楽の専門家ぶっても、本当の音楽のことはなにも知りません。

初めてお会いした方とこれだけ緊密に話ができるというのも、趣味というものの偉大な力のなせる技だと感動するばかりです。
子供の頃、学校の宿直室で聴かせてもらった蓄音器によって音楽の魅力に目覚められ、電気ホールに来たA.コルトーの独奏会なども関係者の粋な手引きによって聴かれたとのこと。
最近もいろいろなコンサートに出向いておられるようで、良否様々な意見や感想を交換できました。

驚いたことにはアルコールがまた、音楽に劣らずお好きとのことで、下戸のマロニエ君はそちらのお付き合いはできませんでしたが、聞けば飲酒のサークルにも入っておられるとかで、翌日には島原まで日帰りで、お仲間とバスを貸し切って酒を飲みに行かれるらしく、現地ではもちろん往復の車中でも飲みっぱなしという強行軍で、その豪快さには恐れ入りました。
お仕事はリタイアされても尚、旺盛に人生を楽しんでおられるようです。

ちなみに、この方が音楽に入られたきっかけはウィンナーワルツだそうですが、まさにシュトラウス2世の名作≪酒、女、歌≫をそのまま地で行っているような方でした。
女性のほうはどうなのか、この点をうっかり聞きそびれましたが。

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