あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
このブログをはじめて4年目のお正月を迎えることができました。
先月暮れには日本にも政権交代という大きな変化が起こり、なんとなくですがいつになく世の中が少しずつ明るくなっていくような気がしているところです。
マロニエ君の毎年のこだわりである、その年の最初になんのCDを鳴らすかということですが、今年はそれほど迷わずに、すんなり決まりました。
J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集第二巻。
いまやバッハの名手のひとりとして数えられるに至ったハンガリーのピアニスト、アンドラーシュ・シフによる演奏です。
シフはもうずいぶん前にバッハの主だった鍵盤楽器の作品を12枚ほど録音していますが、近年はゴルトベルクやパルティータなど、別レーベルからの再録が進んでいます。
そして昨年も終わり頃になって平均律が第一巻・第二巻あわせて4枚組で発売されましたが、これがまたなかなかの名演でずいぶん聴きました。
昔の演奏よりも、より深く確信を持って、しかも自由で自然に弾いていると思います。
とりわけ第二巻はより明るい作品で、第一曲のハ長調は新年のスタートにもいかにも相応しいように思いますし、とくにフーガでの見事なことは何度聴いても感嘆します。
シフは好んでベーゼンドルファーも弾くピアニストですが、それは作品によって分けているようです。ベートーヴェンのソナタなどは曲の性格によってスタインウェイと引き分けていますが、バッハに関しては一貫してスタインウェイを使っています。
シフのコメントによれば、バッハとウィーンはまるで関係がないのだそうで、だからスタインウェイでしかバッハは弾かないとのこと。ただしベーゼンドルファーでおこなったコンサートのアンコールなどにバッハを弾く場合は、やむを得ずベーゼンで弾くけれども…なんだそうです。
本年もできるだけ思ったこと感じたことを、ブログ/ネットという場所で、許されると判断される範囲で「本音で(でも常にブレーキペダルに足をのせながら)」綴っていきたいと思いますので、どうかよろしくお付き合いくださいますようお願い致します。