昨年は、秋から年末にかけて政治の世界はめまぐるしい変化の連続で、ついに安部さんが再び日本の操縦桿を握ることになりました。
このブログで政治的なこと書くつもりは全くありませんが、少なくとも民主党政権樹立後から3年間というもの、良いことはまるでなかったなかったような印象しかなく、大半の人々は理屈抜きにホッとしているというのが偽らざるところではないでしょうか。
民主党の稚拙な政権担当能力もさることながら、リーマンショック、東日本大震災、それに端を発する原発問題などが重なって、惨憺たる状態が長いこと続きました。先の見えない円高、株価の低迷、そして消費税増税、尖閣問題など暗い問題を背負いながら、民主党内部のゴタゴタや内輪もめの連続など、日本丸はどす黒い雲の下の荒れた海をあてどもなく彷徨っていたようでした。
野田さんの「近いうち解散」も騙されたということは半ば公然たる事実として諦めムードが漂い始めていたとき、自民党の総裁選が行われ、安部さんが総裁に選出されるや、いきなり株価は上昇しました。これが初めの突破口だったように思います。
その後の党首討論の席上で突如、具体的な日にちまで口にした野田さんの発言によって、一気に世の中は選挙モードに突入し、結果は予想を上回る勢いで自民党が第一党の議席を獲得し、自公連立によって衆議院の3分の2さえ獲得するまでになりました。
聞くところでは民主党内では、総理には絶対解散をさせないでおいて代表だけを交代させる、いわゆる「野田降ろし」が始まり、野田さんは逃げ場のないところまで追い込まれたのが直接的な解散誘因だという説もありましたが、まあ結果から見ればそれもよかったということでしょう。
第二次安部政権では、さっそくにもさまざまな手が打たれ、毎年2%のインフレコントロールなど、即効性のある対策も実行されるようです。むろんこれを疑問視する声もあるにはありますが、ともかく昨年暮れの東京株式市場では大納会で最高値をつけるなど、ここ数年でひさびさに明るい気分で新年を迎えることができたように思います。
安部内閣発足直後には、デパートなどではさっそくにも「ちょっといいものを…」という絶えて久しかったニーズが復活しはじめて即座にそれに対応した商品構成に転じているといいますし、クリスマスケーキもこれまでの平均15センチが早くも21センチへとサイズアップした由です。
これは一見取るに足らない小さな事のようですが、でも、こういうことが積み重なって、明るい気運が湧き起こってくるところこそ景気を盛り上げる最大のエネルギーにつながる気がします。
年末にある調律師さんに電話してみると「この1、2ヶ月は過去にないほどピアノが売れた!」という、これまたえらく景気のいい話を聞きました。
まさに不景気も好景気も、要は「気」、気分の問題といわれる所以がここにありそうです。
いつだったか、選挙の頃、新聞に福沢諭吉の言葉で『政治とは悪さ加減の選択である』というのが載っていて、思わず唸りまました。
この意味でいうなら、なにも自民党や安部さんが最高とは云わないまでも「悪さ加減の選択」によって現在の政権が誕生したことは、やはり消去法によるベターな選択だったということなのだと思います。
今年も始まったばかりではありますが、なんとなくこの明るい調子が続いてくれればと思います。