魔の回転寿司

今どき全国どこでも同じでしょうが、マロニエ君の暮らす福岡市とその周辺部でも、回転寿司の熾烈な戦いが繰り広げられているようです。
福岡の場合の印象で言うと、まずは郊外に出店。そこで足場を固め、認知と人気を得て成功すると次々に店舗が増えて、だんだん市内寄りに本格的に進出してくる、そんなパターンである気がします。

マロニエ君も数件の店に行くうちに、次第に自分の好みの店が定まり、今では浮気をするつもりもないほど気に行った店が見つかっています。まあ店の名前を書くのは遠慮しておきますが。

最も大手というか有名な「スシロー」や「かっぱ寿司」なども行きましたが、どうせ機械が作っている回転寿司でも、やっぱり店によって味もセンスもずいぶん違うことに驚きます。
マロニエ君の場合、普通の軽食やファミレスならだいたいなんでも妥協できますが、生の海産物であるお寿司だけは、自分の好みでない店では絶対に食べたくありません。
美味しくないお寿司というのは、ほんとうに耐えられません。

昨日、久しぶりにお気に入りの回転寿司に行ったところ、なんだかこれまでとは様子が違う気がしたと思ったら、いつのまにか各テーブルの上には注文用のタッチパネルが新設され、さらには、大手チェーン店で子供に人気という「新幹線」のレールが回転台の少し上に取り付けられています。

そういえばここのすぐ近くに、このシステムの元祖店がつい最近進出して、しかもかなり人目を引く大型店であるために、やむを得ず同等の設備を追加したんでしょう。
マロニエ君はあのタッチパネルで注文ってのが嫌いだったのですが、仕方がないのでパネルをピッピッと押しますが、画面を変えたり注文の数や確定など、面倒くさい上にけっこう集中しなくてはならず、エネルギーを使います。
とりわけパネルを押す右手は空中に上げっぱなしで、気がついたときには肩が凝るし腕はガクガクしています。

次々に注文の確定をするうちに、音もなく注文品が新幹線で届けられます。
荷を降ろしてボタンを押すと空の車体はサッと帰っていきます。そのおもちゃっぽくも滑らかな感じはまるでリニアモーターカーのようで、くやしいけれどちょっと楽しくなりました。
操作も少し慣れてくると、次から次にホイホイ注文を出しては食べ、食べてはまたパネル操作に没頭し、まるでこれが何か一つの仕事というか行動目的を与えられたような熱中状態です。
いつのまにやら画面という画面を片っぱしから繰り出しては注文すべき品をせっせと探し出すことに意識が偏り、自分の腹加減など二の次で、ハッと気がついたときにはもう満腹。それでも忘れたころに新幹線は次から次に走ってきては、目の前に停車し、そこには「頼んだはず」の品が容赦なく乗っています。

結局、普通に注文したらまず頼まないような数と種類を注文してしまっており、こんなバカがいるから、店側もこういうシステムを作るのだという意味がわかりました。
パネルを押すだけだから、注文も安易なら全体量の把握もおろそかになるんでしょうね。
責任とって食べるのも必死でした。

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