超お買い得

マロニエ君がフランスの管弦楽曲を聴く際に以前から好んでいる指揮者&オーケストラのひとつは、ミシェル・プラッソン指揮のトゥールーズ・キャピトール国立管弦楽団です。

プラッソンの指揮は流麗で愉悦感に満ち、どんな作品を振らせても明瞭で生命感にあふれているのが特徴でしょうか。フランス的な小味さとメリハリのある表現が心地よく、フランスものにはこれが一番という印象を持っています。

プラッソンの音楽的な資質もさることながら、手兵のトゥールーズ・キャピトール国立管弦楽団とはよほど相性がいいのか、その抜群の息の合い方は特筆に値するもので、まるで少人数で演奏しているような軽快感があり、オーケストラ特有のもってまわったような鈍重さがないのが特徴でしょう。
また、そうでなくてはフランス音楽をそれらしく鳴り響かせることはできないのかもしれません。

作品と演奏の相乗作用で、プラッソンの鳴らす音楽はどの断片を切り取ってもフランスならではの軽やかさと優美に満ちていて、ドイツものやロシア音楽ばかりが続いて、たまに口直しをしたくなったときなどに、プラッソンの指揮するフランスものはもってこいのような気がします。

そんなミシェル・プラッソンですが、EMIには多くの録音があるようで、手許にはその一部しか持っていないために、ある程度を買い揃えたいという思いがあったのですが、この人は重く注目されるタイプの巨匠でもなければ、ベートーヴェンやマーラーやブルックナーを主たるレパートリーとしているわけでもないので、まあ全集が出ることもないだろうと思っていました。

ところが、なんとEMIから、完璧な全集でこそないものの、実に37枚に及ぶBOXセットが発売されて、しかもその内容はベルリオーズ以降のフランスの主要な管弦楽曲をおおかた網羅した内容であるのにびっくりでした。
これはぜひそのうち購入しなければと思い続けていたのですが、マロニエ君には優先的に購入したいCDが常に立て込んでおり、このBOXのことも頭の片隅にはありながら、まだ購入には至っていませんでした。
しかし廉価なBOXセットは、一定の期間内に買っておかないと、なくなればいつまた入手できるかどうかの保証はありません。そうそう猶予はないというわけで、近い将来にはネットから購入ボタンを押すつもりでした。

ところが思いがけないことに、天神のタワレコにいつものごとく立ち寄った際にセール品のワゴンを覗いていると、な、なんと、このプラッソンのBOXがそこにひょいと投下されているではありませんか!
しかも価格は通常の約9500円から、なんと約4300円弱という半額以下のプライスがついています。もともと9500円でも1枚あたり260円弱という、単品で売られていたときの価格に比べたら10分の1ほどですから、それだけでもかなり強烈なバーゲンプライスであるし、さらにはネット購入なら割引条件を満たせば3割ほどは安く買えるのですが、この投げ売りには恐れ入りました。

それを発見したときは思わず声が出そうになりました。
我が目を疑うとはこのことで、一も二もなく、勇み立って購入したのはいうまでもありません。
1枚あたりわずか115円という、ほとんど100円ショップ並のお値段で、これだけの輝くような名演の数々が聴けるのですから、なんたる幸せか!と思うばかりです。

CDはベルリオーズの幻想ではじまりますが、当然これまでに聴いたことのないような作品が随所に溢れかえっており、はやくも5枚目にしてグノーの交響曲という、マロニエ君にとってまったく未知の作品にも接することができました。そのなんともフランス的な柔らかで享楽的な音楽を楽しむにつけ、この先もどんなものが出て来るやら楽しみが増えました。

実は、タワレコのワゴンには、このプラッソンのBOXは2つあったので、残る1セットはたぶんまだあるかもしれません。ご興味のある方はこれほどのお買い物はなかなかないと思います。

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