北米在住の方がおもしろいCM映像を紹介してくださいました。
正確に云うと、おもしろいというよりもおぞましいと云うべきかもしれませんが、GMのキャデラックの開発にどういうわけか使用されたというグランドピアノの破壊シーンです。
いかにアメリカが物質社会・消費社会とは云っても、こういう文化意志の欠落したCMを作るという感性そのものが驚きですし、しかもそれがアメリカで最高の高級車であるキャデラックのCMというのですから、まったく開いた口がふさがりませんでした。
キャデラックのユーザーは、開発や宣伝ためにピアノを破壊しても何も感じない、傲慢な人種だと示しているようなものです。
https://www.youtube.com/watch?v=rwLMOB6s2ps&seo=goo_%7C_Cadillac-Awareness-YouTube_%7C_YT-LUX-ATS-PIANO-DUMMY-TVST_%7C_Dummy_%7C_
こんなものが一般消費者にとって何の役に立つのか、あるいはどういう意味があるのか、さっぱりわかりませんし、彼らは人々が愛でて大切にするものを敢えて踏みにじり破壊することに、一種の快楽と嘲笑的なよろこびをもっているようにさえ感じます。
以前、ふとした偶然からみつけたのですが、アメリカにはいろいろなジャンルの高級品を破壊しまくって楽しむという悪趣味極まりないクラブがあって、その中にはピアノも含まれており、なんとスタインウェイのグランドピアノを鉄の大きなハンマーを手にした数人の会員(?)によってめちゃくちゃに壊すというのがあってさすがに気分が悪くなりました。原型をとどめないまでに無惨に破壊されたピアノの残骸の前で、ヤッタゼ!といった様子で悦に入っている様子には、なんという悪趣味な思い上がった民族かと思いました。
イラク戦争の折にも、イラク人の捕虜に対して宗教上人前で肌をさらすことを戒める彼らを、敢えて全裸にし、まことに破廉恥な行為を集団で強要し、挙げ句に勝ち誇ったようにその前で写真まで撮っていたのは記憶に深く刻まれる出来事でした。
ほかにもピアノでは、Youtubeの投稿映像でアメリカの若者が、家から運び出したピアノをピックアップの荷台に乗せ、それに縄をかけ、ある程度の速度に達したところで一気にピアノを地面に落とし、ロープで引きずられながらピアノはまたたく間にバラバラに崩壊してしまいますが、その様子に若者達は熱狂的な雄叫びをあげ、爆笑を繰り返すというものでした。
まさに西部劇に見る悪党の残忍な仕業そのものです。
アメリカだけではなく、山下洋輔氏も若気の至りだったのかどうかは知りませんが、恥ずべき過去の行為があることはご存じの方も多いと思います。
海辺にグランドピアノを置き、それに灯油か石油かをぶちまけて火をかけて、燃えさかるグランドピアノを山下氏がガンガン弾きまくるという、音楽家として最低のパフォーマンスでした。
ネット動画で探せば、現在でも見ることは可能なはずです。
私はもともと彼のことはあまり興味もなく、好きでも嫌いでもありませんでしたが、それを見てからというもの、いまだにこの蛮行が頭に焼き付いていて彼のことは好きになれません。
マロニエ君は、なにも「ピアノ愛護団体」のようなことを言い立てるつもりは毛頭ありません。
ただ、実用品とは一線を画すべき楽器を粗末にし、ときに破壊さえするという行為は、個人的には食べ物を粗末にする以上にその人の人格や教養を疑われる恥ずかしい行為だと思いますし、理屈でなく体質的感覚的に不快感を覚えてしまいます。
とりわけミュージシャンと名の付く人がそれをするのは許しがたいものがあり、外国のロックグループにもステージ上のピアノに火をつけて、その炎の周りで狂人のように歌い踊るシーンを見た記憶がありますが、なにをどう説明されようともマロニエ君にはその手の行為は受け容れることはできません。
それをGM(ゼネラルモータース:アメリカ最大の自動車会社)がCMとして堂々と広告媒体に載せるのですから、宣伝のためならペットでも虐待するのかと思います。