恵まれないピアノマニア

車の友人が山口から来たので夕食をして買い物をしてお茶をしました。
試乗もさせてもらい、先日別の友人が買った同型車との比較ができました。
同じ車種ながら、前期型と後期型、セダンとブレーク(ワゴン)、エンジンが直4の2000とV6の3000、足回りがハイドラクティブという油圧サスペンションながら、そのシステムがまったく違う両車ゆえの走行特性の違いなどがあり、あらゆる比較が一気にできて楽しめました。

普段ピアノの微妙な比較や聴き分けなどに精力を使っていると、車の比較なんて呆気にとられるほど簡単で、それだけピアノの難しさを感じました。
同時にしみじみと感じたことは、ピアノマニアというのは情報の極端な貧しさに常に苦しめられているということで、車などは欲しい情報は、その気になればそれこそ次から次に手に入れることが可能です。
きっと鉄道などもその点は同様だろうと思います。

ピアノときたら、寸法と重量以外はほとんどスペックらしいスペックなどないも同然で、客観的なデータや仕様変更などはメーカーもしくは一部の技術者のみの極秘情報のようになっていることが当たり前です。
非常に閉鎖的ですが、またそれを知りたがる一般人もいないという環境が作り出したものだと思います。
ピアノは色も黒が多いですが、その内奥に迫ろうとすると、その点でもまさに巨大なブラックボックスといえるでしょう。

そのためにピアノマニアは少ない情報以外は、もっぱら自分の感覚だけが頼りです。

どんなことでも同好の仲間がいるというのは非常に心強く、情報の収拾能力も格段にレベルアップするものです。
車のようなわけには行かないまでも、はやくこの雑学クラブもそれらしく始動して仲間を増やし、みなさんの役に立って楽しめるものにしていきたいものです。

冒頭の友人の奥さんはパン作りの達人で、聞けば商売ができるほどの腕前のようですが、その彼女をして、道を究めれば究めるほど、自分が後退しているようなジレンマに陥ったりするとか。
何事も本物を目指す道は険しく曲がりくねったものだというとですね。

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