炎暑到来

一昨日は、その前日の雨模様から一転して、朝から猛烈な真夏日となりました。

通常であれば、梅雨明け宣言から日を追うごとに気温が上がりはじめて、しだいに夏のピークに向かっていくところですが、7月8日はまさに猛暑日を飛び越していきなりの炎暑日となり、その強烈さにはとてもじゃないけれど心身がついていけないというのが率直なところでした。

午後のことですが、所用で出かけるため、車を車庫からバックで出そうとしていたところ、驚くべきものを目撃してしまいました。
この日は、我が家のほど近い場所で道路工事をやっていてその部分が片側通行となり、その両脇には通行する車を交互に止めたり行かせたりするための誘導係が、照りつける直射日光の中に立ってその仕事に従事していました。

車を出すべく、後ろを見ながらバックしていると、ちょうどその工事中の光景が視界に入るのですが、まさにそのとき、その誘導員の方がとつぜん地面に倒れてしまいました。それもよろよろと座り込むというような動きではなく、まさにパタンと、縦の物体が横に倒れるというような、まるでマネキンなどが倒れるような倒れ方だったので、これはタダゴトではないと仰天してしまい、バック途中だった車を止め、急いでドアを開けてそこへ走りました。

その方が倒れられたときの、カツンというヘルメットが地面に当たる小さな音も、いやな感じに耳に残っています。
駈け寄るなり「大丈夫ですか!?」と何度か声をかけますが、まったく応答が無く、熱せられたアスファルトの上に仰向けになったまま、苦痛の表情ばかりが目に入りますが、声も出せないという状況でした。
まわりを見ると、工事の仲間の人達は、少し離れた場所にある工事現場と、さらにその向こう側の誘導員の方の姿があるだけで、まだこの事態に気付いていません。

咄嗟にそちらに走っていき、彼らに声をかけて、急いでこっちに来てくれるよう大げさに手招きをすると、何事かという感じで数人の人がはじめは普通の感じで来てくれました。
すぐに道に倒れている仲間の姿を見てその状況を理解すると、たちまち他の人も呼ばれて、あっという間に4〜5人の作業員の人達が集結して、その人のまわりをしゃがみ込んで取り囲みました。

しかし、どんな呼びかけにも明瞭な反応はなく、大変な苦痛の様子は変わりません。
集まった人のうちの誰かが「救急車!救急車!」と大きな声を上げ、ほとんど同時に全員の手で水平状態のまま持ち抱えられて、目の前のマンションの車寄せにある日陰へと移動させられていきました。

これだけ人が揃えばとりあえず大丈夫だろうと判断して、マロニエ君は車に戻り、そのまま出発しましたが、しばらくはあのショッキングな倒れ方の情景が目に焼き付いて離れませんでした。

おそらく熱中症だろうと思いますが、新聞やテレビでは耳目にする言葉でも、現実の怖さをまざまざと見せつけられた思いでしたし、野外で仕事をする人は本当に過酷な条件の中で、身を苛んで働いておられるんだなあとあらためて思わずにはいられませんでした。

それも、じわじわと時間をかけて到来した猛暑であったらなまだしも、この日のような突然の炎暑ともなると、だれでも身体がそれに耐えていくだけの準備もできていなかっため、よけいに堪えたのかもしれません。
マロニエ君自身もこの日は、さすがに身体に堪える暑さで、帰宅後も普段とは明らかに違う疲労感に包まれました。
どうかみなさんも、くれぐれもご用心ください。

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