昨日のお昼のこと、テレビの画面をなんとなく見ていたら、タイトルの通りのような言い回しで、この夏の中国の珍風景をおもしろおかしく紹介していました。
今年の猛暑は日本だけのものかと思っていたら、なんと中国も同様だそうで、大陸でも観測史上初の値を記録する厳しい暑さに見舞われているようでした。
それにまつわる写真が3枚紹介されましたが、一つはデパートの健康器具の売り場で、商品の安楽椅子や身体を横にして使う器具の上で堂々熟睡する人達で、涼しいデパートの店内で横になれる場所を見つけては、大勢の人達がずらりと並んでぐぅぐぅ眠っている様子でした。
もうひとつは地下鉄の構内で、ここもクーラーが効いていて、しかも床が化粧仕上げの石造りであるためにひんやりするというわけで、大人も子どもも、その床にべったりと身体をくっつけて眠っている様子ですが、中国の衛生事情は日本人にはかなり厳しいものがあり、駅の構内などはみんなが唾や痰をバンバン吐いたりするのが当たり前なのですが、どうやらそんなことはお構いなしのようです。
最も驚いたのは、中国の巨大なプールで、ここには大勢と云うよりは、ほとんど群衆とでも呼びたいような猛烈な数の人達が殺到しており、人と浮き袋などでびっしりとプール全体が埋め尽くされていて、まったく水面というものが見えないのは恐れ入りました。
かつて見たこともない、まさに中国ならではの桁違いの混雑ぶりでした。
湘南などの海水浴の猛烈な人出でさえ驚くのに、この中国のプールの人の密集度は、とてもそんな甘っちょろいものではないのです。パッと見にはプールに人々が入っているというよりも、まるでなにか得体の知れないものが異常発生しているか、江戸小紋などのこま柄がびっしり詰まった模様でも見るようでした。
それはそれとして、ふと気になったのは水質の問題です。
中国に旅したことのある人ならだれでも知っていることですが、あちらは気の毒なことにきわめて水質の悪いお国柄で、たとえ一流ホテルに泊まっても、水道の蛇口を捻ると、うっすらと濁った、少し変な臭いのする水しか出てきませんし、当然それを飲むこともできません。また、レストランなどで出てくるお茶を飲むと、料理の美味しさとは裏腹に、どことなく嫌な臭いのする水質の悪さを感じさせられて、あまり飲みたくない気になるものです。
したがって、中国に行くと必ず手始めにコンビニなどへ行って、飲料用の水を一抱え買ってくるのですが、その「買った水」でも日本の普通の水道水よりはかなり質は落ちるというのが実感です。
飲み水でさえそんなお国柄ですから、プールという途方もない水量を必要とする施設での水質はどうなっているのだろうと、どうしても考えてしまいます。おまけに上記のような、信じられないような夥しい数の人達が、満員電車のように押しあいへしあいしながら水に浸かるとなれば、こりゃあもう衛生状態なんてほとんど期待できないのではと思ってしまいます。
聞くところでは、この夏は上海あたりでも40度を超える猛暑日があるほか、内陸の重慶などでは42度を超える記録まで出ているというのですから、いやはや今年の暑さは呆れるのを通り越して、どこか恐いような気がしてしまいます。