ルノーの魅力

昨日は久しぶりの車のクラブミーティングがありました。
昼から夜にかけてほぼ12時間近い長丁場な一日でしたが、気心の知れた仲間というのは時間の経つのもあっという間です。
東区のとあるレストランで集合し、食事、移動、お茶と会話を繰り返えす一日でした。
あいにく終日の雨模様でしたが、音楽とはまた一味違う充実した時間を過ごすことができました。

夕方頃のこと、ある中古車店に入荷したというルノーのラグーナという車を見に行きましたが、その車は内外装のデザインなど日本人が逆立ちしてもできないセンスによる、まさにフランスのモードを身にまとったような造形で、なんともいえぬ垢ぬけた洒落た車でした。
店に着いた時には台風かと思わせるような猛烈な風雨が吹き荒れていましたが、しばらく店主と雑談を交わしているうちに一時的にウソのように雨が上がり、この日は諦めていた試乗をさせてもらうことに。

はじめ友人がハンドルを握り、途中からマロニエ君が運転を交代しましたが、フランス車独特のしなやかでフラットな乗り味の中にも芯の通った確乎としたポリシーが貫かれていて深い感銘を受けました。
硬軟様々な要素を併せ持ちながら、それらがバラバラになることなく完結した世界を持った車で、とにかくフランス人の作ったものは芸術作品から工業製品まで、どれも一見さりげなく見せておいて、実は奥深い知的世界が広がっているところがすべてに共通した魅力です。
フランス車といっても比較的コンパクトなボディに3Lの24バルブエンジンと5ATの組み合わせなので、非常にパワフルで、ダッシュボードにあるトラクションコントロールのスイッチをオフにすると、濡れた路面ではアクセルを強めに踏むと軽いホイールスピンを伴いながら猛然とダッシュするような一面を見せながら、全体としては非常にキメ細やかで、繊細かつダイレクト感のある身のこなしや運転フィールを持っていました。

なにげなく連想したのは、ショパンのバラードやスケルツォのような作品でした。
緻密で技巧的なものとリリックで都会的なものが混然一体となった、パリの精神と贅沢さが小ぶりな作品に圧縮されたような世界でした。
どうもマロニエ君はこういうものに弱く、すぐに惚れ込んでしまいます。

車もピアノも実物はコレクションというわけにはいかないのがなんとも残念なことです。
これがCDやミニカー程度なら迷うことなく手元に置いておきたいところですが…。

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